ロクシタン・インターナショナル、9月13日に香港での上場を廃止

2024/09/15 15:36

フランスの化粧品大手「ロクシタン・インターナショナル」は9月13日、14年間に及んだ香港証券取引所での上場を廃止すると発表した。同社のReinold Geiger会長が、保有していない全株式を1株あたり34香港ドル(約614円)、総額およそ60億ユーロ(約9376億円)で取得するという。また投資会社のブラックストーン(Blackstone Tactical Opportunities)やゴールドマンサックス・アセット・マネジメント(Goldman Sachs Alternatives)が、会社の非公開化に向けて15.51億ユーロ約2424億円)の資金援助をすると約束した。最後の営業日で時価総額は約497億香港ドル(約450億元)であった。

ロクシタンは最終年度となった2024年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の決算で、売上高は5.42ユーロ(約847億円)、営業利益は2023年度より2.5%減って2.33億ユーロ(約364億円)であった。また中国におけるシェアは12.9%にまで下がっている。

ロクシタンは2005年に、上海に1号店をオープンさせて中国進出を果たし、アジア市場の重点を日本から中国に切り替えた。その5年後に、フランス企業として初となる香港での一部上場を果たした。

電子商取引が盛んになり始めた2014年には、オンラインアプリのTmallにストアを設け、わずか3日間で実店舗での1か月分を販売した。2021年度には中国での売上割合が17%に達して国別で最大となり、翌2022年度も18.1%でトップを維持した。

ロクシタンは中国の高級ケア用品で文句なしのトップに立ち、特に定番シリーズのハンドクリームはこだわりを持つ女性にとって欠かせない品となり、しばしば贈答品にも使われた。しかし今は中間所得層から敬遠され、ほとんど話題にも載らなくなってしまった。

決算報告を見ても、中国で行き詰まっている様子がうかがえる。2023年度の国別の販売割合は前年の18.4%から14%に後退してトップを陥落し、2024年度には12.9%とさらにダウンしている。

(中国経済新聞)