バイドゥ、AIの「文心一言」を名称変更

2024/09/6 18:30

バイドゥの生成AIサービス「文心一言(アーニーボット)」が、リリースからちょうど1年となった9月4日に名称を「文小言」に変更した。サポート機能の「新しい検索」として、リッチメディア検索、マルチモード入力、テキストや画像の作成、精巧なデジタルヒューマンといった技術を打ち出し、メモリーや自由購読などができるようになっている。

バイドゥの副総裁で、AI製品イノベーション新事業・MEG戦略運営管理センターの統括である薛蘇氏は、「これまでの名称『文心一言』はかなりフォーマルであり、広く利用されるようになったことから、対象層を一段と拡大したい。特に一般消費者との距離を縮めたい」と述べている。名称変更はまた、今後のマーケットポジションや方向性を意味するものという。さらに、「新しい検索アシスト機能を新旧のユーザーともに利用してもらうにはまだ不確定要因も多い」とも述べている。

インターネット検索については、これまで業界内で力関係がほぼ固定していたが、生成AIが普及するにつれてAI検索を手掛ける事業者が増えつつある。

中国では、「バイドゥ」、「360」、「捜狗」(Sogou)、「夸克」(Quark)など馴染みの検索サイトが AIを機能として導入しており、「小紅書」もAIを導入した。このほか、大手の幹部が離職しAI検索の会社を興すケースも多い。「バイドゥ」の幹部だった景鯤氏と朱凱華氏は「Genspark」を立ち上げ、また「アリクラウド」のチーフセキュリティーサイエンティストだった呉翰清氏は、匿名のスマート検索エンジン「KFind」を立ち上げ、リリースした。大規模言語モデル(LLM)については、「昆侖万維」の「天工AI」、「月之暗面」の「Kimi AI」、「秘塔科技」の「秘塔AI」といった検索システムが打ち出されている。現在、これらのAI検索の多くは無料であるが、有料会員制あるいは投げ銭方式も一部に存在する。

(中国経済新聞)