カナダ、すべての中国製EVに100%の追加関税を適用

2024/09/1 07:30

カナダ政府は8月26日、中国製のEVのすべてに2024年10月1日から新たに100%の関税を課すと発表した。現在実施している6.1%の関税にさらに上乗せするもので、EVと一部のハイブリッド乗用車、トラック、バスなどが対象となる。カナダのフリーランド副首相兼財務相は、「国内の労働者を守るためのもので、中国政府の産業支持政策によるEV産業へのダメージに対応する」と述べている。この前の5月14日には、アメリカ・ホワイトハウスが中国製EVに対する関税をそれまでの25%から100%に引き上げると発表しており、理由もカナダ同様に中国製EVによる製造業への影響を防ぐためとしている。

中国乗用車連席会の崔東樹事務局長によると、今年1~7月の中国の新エネ車輸出台数は前年同期より25%増えて117万台であったが、このうちアメリカおよびカナダ向けは10%減って2.8万台にとどまり、新エネ車全輸出量のわずか2.4%であった。

中国は今年7月、カナダへのEV乗用車の輸出台数が去年同月の6878台より1951台減って4927台であった。ただその一方で、メキシコ向けは5393台増えて6809台となり、国別に見た輸出台数で5位に食い込んでいる。

中国メーカーはここ数年、中南米について、北米市場進出への足掛かりになると見ており、「奇瑞」や「BYD」などがまず進出している。今年1~7月の相手国別に見た新エネ車の輸出台数を見ると、メキシコは上位5か国には入っていないが、去年同期からの増加数は2位で、4.3万台弱となっている。

メキシコのほか、南米の大国であるブラジルも中国メーカーのターゲットとなっており、1~7月の新エネ車輸出台数は13.45万台で、前年比増加数は国別で最大の11.4万台である。

ただしアメリカが今、北米のカナダやメキシコ、およびG7各国に対し、中国製品の迂回輸入の防止に向けて足並みをそろえるように呼びかけている。

メキシコのメディアによると、現在の政策により、中国など自由貿易協定の域外国から輸入される小型EVに対する15%~20%の関税免除策が2024年10月1日に撤廃されるという。

(中国経済新聞)