「拼多多」、株価が一夜で7.99兆円値下がり

2024/08/30 13:30

中国の低価格EC大手「拼多多」は8月26日に第2四半期の決算を発表し、売上高は前年同期の522.81億元(約1.06兆円)から86%増えて970.6億元(約1.97兆円)であったが、予想されていた999.85億元(約2.02兆円)には及ばなかった。未適用の会計基準による純利益は前年比125%増の344.3億元(約6976億円)となっている。

「拼多多」はアメリカで、株価が取引開始後に30%以上も値下がりした。終値の段階で時価は1389億ドル(約20.05兆円)で、この日(1942.5億ドル=約28.04兆円)の減額幅は2018年の上場から最大となる554億ドル(約7.99兆円)を記録した。

拼多多の執行取締役である共同CEOの趙佳臻氏は、8月26日夜のオンラインによる決算発表会で、「通販業界はこのところ競争がどんどんきつくなっている。激しい競争環境で売り上げも減速が見込まれ、急激な増加はいつまでも続かない」と述べている。

趙氏はまた、利益減が続くのは避けられないと見ている。「このような状態では確実に当面の利益が犠牲になり、幹部陣も経営存続のために莫大な犠牲を払っていることを認識している。これからしばらくは利益が増えたり減ったりするだろうが、長期的な低落傾向は避けられない」と述べている。

また会長兼共同CEOである陳磊氏は、「このところの利益増加は当面の投資と決算の時期のずれによるものであって、長期的に続くものではない。また今の事業は激しい競争や外的な環境要因を受けており、当然ながら成長に支障が出て、売上高の伸びも減速する」と述べている。

拼多多の幹部は株主への見返りについて、「今はまだ投資の段階にある。事業はどれも激しい競争や外的な環境による不確定要素を抱えている」と述べている。陳氏は、「私もほかの幹部も、今の資本レベルでの見返りや配当は不適当だと思っている。幹部陣が見通せる今後何年間は、ここまでする必要はないと見ている」と述べている。

陳氏は、株主に対する見返りの方法が、一夜にして株価が急落した原因の一つではないかと見ている。

拼多多の株価不振について、アメリカ金融大手・ゴールドマン・サックスのレポートによると、「株価収益率が10倍以下となっており、中国国内の競争激化や傘下の格安越境EC『Temu』との地政学的な問題に対する投資家の心配感が表れている」と見ている。ただその一方、拼多多はGMVが急激に伸び、取引による収入も予想以上であって、Temuの成長が裏付けられている。第2四半期の段階で拼多多は引き続き中国IT界の成長株であり、戦略や投資も拡大が見込める。ゴールドマン・サックスは有望購入銘柄としている。

(中国経済新聞)