半導体大手のインテルが15000人を削減

2024/08/5 11:30

アメリカの半導体大手・インテル(INTC)は、全従業員数の15%にあたる約15000人の削減など、2025年までに経費を計100億ドル削減する策を発表した。ほとんどが今年末までに完了するという。

インテルは2024年第2四半期、売上高が前年同期の129億ドルを1%下回る128億ドル、利益率は同じく35.8%から35.4%に減少したと発表した。その直後に株価が一気に26%も値下がりし、1営業日で時価総額が318億ドル下落した。

インテルのパット・ゲルシンガーCEOは、「主要な製品およびプロセス技術のマイルストーンを達成したにもかかわらず、第2四半期度の決算は期待外れだった。下半期はこれまでの予想よりもっと厳しくなる」と述べている。

インテルは8月2日、ゲルシンガーCEOによる全従業員あてのメッセージを公開した。これによると、「われわれは売上が予想ほど伸びなかった上、AIのような強力なトレンドから十分に恩恵を受けていない。われわれはコストが高く利益率が低い。より大胆な行動をとってこの2点の解決に取り組まねばならず、特に2024年下半期の業績や見通しを考えていく。これまでの予想より厳しくなっている」と書かれている。

支出の削減についてインテルは、利益を拡大し貸借対照表を改善する取り組みをしており、流動性の改善や債務残高の削減を目指している。また株主に長期的な価値をもたらすべく、投資を正しいものへと導こうとしている。

ゲルシンガーCEOは、「われわれは今、新たな運営モデルにより大胆に行動し、運営や資本効率を引き上げているほか、IDM 2.0改革を加速している」と述べている。これらの行動に加えて、来年にIntel 18Aを発表することでプロセス技術のトップの座を奪回し、市場での地位を強化して、利益力を引き上げ、株主に価値をもたらしていくと信じている。

ゲルシンガーCEOは、メッセージで、今後の見通しについて以下のように述べている。

前途が容易だなどという幻想は抱いておらず、あなたたちも抱くべきでない。われわれすべての人にとってこれは大変な1日であり、今後もさらに大変な日々を迎えるだろう。これらすべてが困難であるが、われわれは今、進歩の上でさらに努力し、新たな成長の時期を迎えるべく、必要な変化をしている。

この道のりを歩み始めたころ、我々は目標を高く据えていた。なぜならわれわれは、インテルは偉大なアイデアを生む場所であり、現状を克服できる場所であることを知っているからだ。われわれの使命は、世界を変える技術を創造し地球上のすべての人の暮らしをよくすることなのだから。ベストの状態では、世界のどの会社よりもこれらの理想を実現することができる。

この使命を実現するため、われわれはこれまで通りIDM 2.0戦略を続けなくてはならない。改めてプロセス技術のトップの座を打ち立て、アメリカやEUでの生産能力を拡大することで、大規模かつ世界的にフレキシブルなサプライチェーンへ投資し、ワールドクラスでトップを行く国内外の受託工場となり、改めて製品群をけん引する力をつけ、AIをあまねく存在させていく。

われわれはここ数年、持続可能なイノベーションエンジンを立て直してきた。そのエンジンはかなりの程度で揃い、軌道に乗っている。今は業績向上に向けて持続可能な金融エンジンの形成に専念する時だ。より柔軟な形で運営すべく、実行力を格上げして新たな市場の現実に合わせなくてはならない。これこそわれわれがとっている行動の精神だ。今下した選択は、どんなに困難であろうが、お客様への対応力を強化するもので、今後数年にわたり事業を成長させるものだ。

道のりの中で次の一歩を踏み出す際に、われわれのすることが今ほど必要とされている時はない、ということを忘れてはならない。世界はますますシリコン頼みとなる。世界には健全で活気のあるインテルが必要だ。これこそ今の取り組みが重要となっている理由である。われわれは、会社を改めて偉大なものとするだけでなく、技術や製造力を創造する。いずれも今後数十年間にわたり世界を変えていくものだ。目標を追い求めていく中で、この点はいつまでもおろそかにしてはならない。

(中国経済新聞)