周大福、この半年は1日1店舗の割合で閉店

2024/07/31 18:48

香港の宝飾品大手「周大福」は7月23日、2024年6月30日までの3か月間(4月~6月)の監査前決算報告を発表した。小売額は前年比20%減で、うち中国は18.6%減、香港、マカオその他が前年比28.8%減となる見込みである。

4月~6月は中国本土で、新たに85店をオープンしたが、閉店数が176店でトータルでは91店減った。6月末現在における全世界の店舗数は7429店で、うち中国本土が7284店、香港・マカオが87店、その他が58店である。中国本土では、その前の3か月(2024年1月~3月)で89店減っているので、この半年間で180店も減ったことになる。

周大福はこれまで、店舗数を急速に増やすことで業績を伸ばし、特に三、四線都市ではどんどんと新しい店を設けてきた。今年6月末現在で、中国本土にある7000以上の店舗のうち半分以上が過去2~4年以内に建てられたものである。

周大福は2018年4月に三線以下の都市に進出し、県や町、農村部の市場を開拓して店舗数を急速に拡張していった。2021年には執行取締役兼総経理の陳世昌氏が、「3年間で中国本土の店舗数を今の4500店から7000店に増やす」との目標を掲げた。

そして2023年度に店舗数は1631店増えて7269店となり、この目標を2年前倒しで達成した。しかし売上高の方は、2021年度の45.6%増、2022年度の46.5%増から一転し6.1%減の816.23億香港ドル(約1.62兆円)であった。

2024年度上半期は店舗数も減り、決算報告によると店あたりの売上高は3.5%減、販売数量は11.9%減となっている。

周大福の広報担当は、今回の大幅な店舗数の削減について「店舗の数は永続的な成長を狙う上で唯一の方策ではない」と表明している。

また、事業構造改革を進行中で、小売り事業を革新した上で向こう5年以内にすべての店をリニューアルするとも表明している。さらには「新しいホームページを打ち出し、お客様によりスムーズな買い物を楽しんでもらう。的を絞ったデジタルマーケティングを通じてオンラインで一段と客足を招き、影響力を高めていく」とのことである。

(中国経済新聞)