中国のスマートフォン大手・シャオミの創業者である雷軍氏は7月19日夜7時、「勇気」をテーマに5回目となる「年間講演」を行った。自動車製造を手掛けた経緯や、ここ3年余りで発生した出来事について語っている。
雷氏は、「車を手掛け始めたきっかけは不意の出来事だった。2021年1月15日にアメリカの制裁実施を受け、急遽取締役会を開き、対応策を話し合った。この場で自動車の製造を提案する声が出て、ほぼすべての役員が賛成した」と述べた。
シャオミはその後、60人余りの調査グループを結成し、各都市を80回以上にわたりリサーチし、200人以上を訪ね、幹部会議を4回行った。こうした動きの中で、蔚来の李斌会長や小鵬汽車の何小鵬会長が自動車を手掛けるよう薦めたという。
シャオミはその2か月後の2021年3月、自動車製造への着手を正式に決定し、取締役会は雷氏が自らリーダーとなるよう求めた。雷氏は講演で、「今更遅すぎないか」との疑問に対し、「自動車の根幹となるインテリジェント化はまだ始まったばかりなので、遅すぎるということはない」と答えている。
雷氏はまた、「融資やローンチを別会社として実施させないのはなぜか」との声に対し、「事業を決めた時はちょうど新エネ車への出資がブームであり、VC(Venture Capital=ベンチャーキャピタル)数社から100億ドル(約1.57兆円)もの提示を受けた」と述べた。雷氏も心が動いたが、自動車製造は長期事業であり、社内や投資家の考えが一致した状態が続く可能性は低いと見て、考え抜いた末に断ったという。また、シャオミはグループ自体に大量の人材や技術を抱えており、グループの支えがあってこそ成功が見込めると考え、最終的に全額自己出資で実行することにした。
シャオミは今年3月、初めての本格車種「SU7」を正式に発売し、販売台数は4月が7058台、5月が8646台、6月が14296台、合計3万台となっている。2024年の年間目標は引き渡し台数10万台確保で、あわよくば12万台を狙うという。
(中国経済新聞)