広東省の深セン市は今年に入って貿易が好調であり、4月までの貿易総額は中国国内の地域別で2015年以来のトップに立ち、1月~5月もその座を維持した。
深センの税関の最新データによると、今年1~5月の貿易総額は前年比34.3%増の1.81兆元(約39.3兆円)で、地域別トップであり、中国全土の10.4%、広東省の50.5%を占めるに至っている。内訳は輸出が37.2%増の1.16兆元(約25.2兆円)、輸入が29.4%増の6525.4億元(約14.1兆円)である。
深セン市は、5月の貿易総額は44%増の4016.7億元(約8.73兆円)で、内訳は輸出が50.1%増の2662.9億元(約5.79兆円)、輸入が33.5%増の1353.8億元(約2.94兆円)であった。
深センは今年、輸入、輸出、全貿易ともに月間および累計で2桁成長を続けている。この理由として、以下の4点が挙げられる。
- 主役は民間企業
深センは、今年1月~5月の民間企業による貿易額は51.7%増の1.3兆元(約28.2兆円)で、市全体の貿易額の71.6%を占め、伸び幅は市全体を17.4ポイント上回っている。また外国企業による貿易額は5.9%増の4320億元(約9.39兆円)で、全体に占める割合は23.8%である。
深セン市はかねてから、GDPの6割以上を占める民間経済の成長を後押ししている。去年8月には「民間経済20条」を打ち出し、今年も貿易安定化措置を相次ぎ発表しており、これらが現在の情勢で輸出中心の民間企業にとって追い風となっている。