快手、第1四半期は純利益が950億円超

2024/05/28 17:30

中国のショートビデオアプリ大手「快手科技」(Kuaishou Technology)が5月22日に発表した2024年第1四半期の決算報告によると、売上高は前年同期比16.6%増の294億元(約6373億円)、純利益は41億元(約889億円)(去年同期は8.76億元=約190億円の赤字)で、調整後の純利益は43.88億元(約951億円)であり、いずれの数字も四半期としては過去最高であった。

快手はまた、ユーザーの数も過去最高になった。決算によると、アプリの1日平均アクティブユーザー数は前年同期比5.2%増の3.94億人、月平均では6.6%増の6.97億人であった。このうち1日の平均利用時間は129.5分で、第1四半期全体の利用時間は同じく8.6%増となっている。

2024年第1四半期の売上高の中身を見ると、オンラインマーケティングについては前年同期比27.4%増の167億元(約3620億円)で、全体に占める割合が56.6%となっている。またアクティブユーザー数は同じく90%近い増加であった。これについて快手は、「スマートソリューションアプリの普及や商品プロモーションのトータルアップに努めた結果、マーケティングによるユーザーの数や消費の増加がもたらされた」と表明している。

事業分野別に見ると、検索関連については月間平均利用者数が前年同期より15%以上増え、1日の検索件数はピークで8億件近くに達した。検索のビジネス化も進んでおり、マーケティングサービスとしての売上高が50%以上も増えている。

Eコマースについては、GMVが前年同期比28.2%増の2881億元(約6.25兆円)となり、ユーザー面では月間のアクティブユーザー数が22.4%増の1.26億人であった。特に春節関連グッズの購入主が前年より60%以上増え、販売側でも取り扱い業者数が月間で前年比約70%の増加となった。

快手はこのところ、海外事業が力の入れ所になっており、この四半期の売上高は前年比193.2%増の9.91億元(約215億円)で、営業赤字額は67.4%減った。主な地域については1日平均アクティブユーザー数が着実に伸びており、1人あたりの1日平均利用時間も前年比、前期比ともに増えている。中でもブラジルでは、1日平均アクティブユーザー数が前年比13%増で、1日の利用時間は75分以上となっている。

このほか快手は、新たな自社株買いを始めると発表した。2024年6月の株主総会終了後、向こう3年間で最大160億香港ドル(約3217億円)分を買い戻す予定という。2023年5月に始まり今年の株主総会までを期限とする40億香港ドル(約804億円)分の自社株買い計画は、現段階でB株30.9億香港ドル(約621億円)分に達している。

(中国経済新聞)