アリババが運営する中国No.1のB2C型ECサイト「Tmall」は5月21日、通販セール「618」の初日の売上データを発表した。
Tmallは、現地時間5月20日夜8時のセール開始から5月21日0時までの4時間で、59のブランドで売上高が1億元(20億円)を突破し、376の品目が取引額1000万元(2億円)を超えた。この中で、化粧品については11のブランドが取引額1億元越えを果たし、中でも「珀莱雅」(PROYA)は4.7億元(約101億円)以上で、118品目が1000万元越えとなった。インテリア、家具、家電ではダイソン、ハイアール、ハイセンス、シャオミ、林氏家居、全友など23のブランドが1億元を越え、119品目が1000万元越えとなった。セールは総じて活況を呈した模様である。
またアルコール類について、ライブによる売上高が去年の1300%以上の増加であり、これを受けて焼酎関連は147%の成長を果たした。タオバオでは同時に30件近い配信が行われ、「李佳琦」(Li Jiaqi)、「烈児宝貝」(Lie Er Bao Bei)、「蜜蜂惊喜社」(Bee Suprise Club)、「香菇来了」(Xiang Gu Lai Le)、「陳潔KiKi」(Chen Jie KiKi)、「酒妹妹」(Jiu MeiMei)などの各キャスターが開始から1時間で1億元以上を売り上げた。この中で、新規参入したスペシャリスト「酒妹妹」は43分間で1億元以上に達し、4時間で1.7億元(約36.7億円)を売った。
Tmallは今回、価格について一段と「過激化」し、補助金100億元(約2000億円)で開始早々のGMVは去年の596.5%増となった。iPhoneについては、公式旗艦店の128GBのiPhone 15が、各種の値引きプランを合わせて1400元(約30225円)プライスダウンし最低4599元(約99288円)で売り出した。この値段は「京東」や「拼多多」を下回っている。タオバオはまた、無期限の返品可・送料込みサービスの「88VIP」を導入し、注文率を押し上げている。
Tmallはまた化粧品について、従来の店舗間満額クーポンに加えてスーパーチケットやサプライズ券を用意するなど、かなり力を入れた。化粧品ブランド「可復美次抛」、「嬌韵詩双萃」、「修麗可AGE面霜」、「ロレアル玻色因面膜」、「赫蓮娜黑繃帯面霜」など30品目が、開始から30分で1000万元以上の売上を記録した。
Tmallは、アクセス減に対応すべく一段と資源をつぎ込んでいる。今回は中国の大手インフルエンサーソーシングおよびマーケティングプラットフォームである「巨量星図」を導入した上、テンセント広告、知乎、bilibiliなどのネットアプリ200社以上とタッグを組み、トータル的に集客力を上げた。会場へのアクセス数は去年の15倍となっている。
アリババグループのCEOである呉泳銘氏は、5月14日の決算報告電話会議で「販売業者、流通業者、工場つき産業を分ける形で様々な商品形態や経営モデルを取り入れ、商品の価格力や販売転化率を伸ばす」と述べた。また物流や電話サービスなど、利用者の立場を考えたサービス向上で購入率を増やし、リピーターや新規顧客を集めていくという。
(中国経済新聞)