香港証取、トップ交代 唐家成氏が会長に就任

2024/05/1 07:30

香港証券取引所は4月24日、唐家成(カールソン・トン)氏が史美倫(ローラ・チャー)氏の後任として取締役会会長に就任すると決定した。新たな取締役会もすでにほぼ確定している。香港政府が最大の株主であることから、任命にあたって行政長官の書面による承認が必要となる。

今度の取締役会は、業績不振の中での発足となる。香港証取は2024年第1四半期、営業収入・純利益ともに前年同期を下回り、流動性が弱く、IPO上場が減っている状態である。ただ一部の関係者は、「このところ流動性については前向きな兆しもあり、今年は幹部陣が交代し、改革措置が実行されることなどから、上向きになるのではないか」と見ている。

香港証取は1か月余り前に、陳翊庭氏が欧冠昇(NicolasAguzin)氏に代わって初の女性CEOに就任している。よって、上場から20年余りで初めて2か月の間に会長と運営のトップが交代するという結果になった。

唐氏は69歳で、2012~2018年に香港証券先物事務管理監察委員会の会長を務めており、香港市場で豊富な経験がある。

唐氏はまた、香港証取ともつながりが深く、公開情報によると2002~2006年はメインボードおよびGEM上場委員会のメンバーで、2006~2008年に同委員長を務めている。

今回の唐氏の就任は予想されていたものだった。唐氏および元香港金融管理局の任志剛総裁は、2023年2月に香港証取の独立非執行取締役に就任した時点で、いずれかが次期会長となるとの噂も出ていた。そして同年8月29日に香港政府は、株式市場の流動性を高めるためのグループ結成を発表し、唐氏をそのリーダーに選んでいる。

唐氏は現在、香港証取で取締役会常務委員会およびリスク管理委員会の(法定)会長、企業社会責任委員会、人事・統括委員会、賃金委員会会長などを務めている。

現取締役会会長である史氏は、2024年株主総会の終了後に退任し、取締役会上級顧問となると発表されている。任期は2024年4月25日から2025年4月24日までという。また史氏は、引き続き香港証取の国際諮問委員会、中国業務諮問委員会の会長を務める。

(中国経済新聞)