閲文集団、121億円でテンセントアニメを買収へ

2023/12/13 20:30

12月11日夜、中国の電子書籍サービス大手「閲文集団」(以下「閲文」)が、大手アニメ・コミックサイト「テンセントアニメ」 を6億元(約121.6億円)で買収予定と発表した。具体的な中身はテンセントアニメのApp、アニメ事業、映像事業、米橙子の株式90%という。

閲文の侯暁楠CEO兼総裁はこれについて、「川上側である主力IPのたくわえを豊かにし、小説のアニメ化における提携ラインが出来上がり、アニメ制作が優れたものとなって、会社の成長を支える力の一つとなる」と述べた。また今後は、AIと結びつけて小説のアニメ化を促し、言語IPの見える化を加速させることで、IPの商業化の効率を一層引き上げていくという。

閲文はインターネット文学を手掛けるクリエイティブ会社で、2015年3月30日にテンセントの傘下企業である「騰訊文学」が「盛大文学」を買収して設立し、2017年11月に香港で上場を果たしている。

一方、テンセントアニメは2012年の設立で、「一人之下」「狐妖小紅娘」など多数の有名IPを生み出したほか、映像やゲーム、関連商品など別分野の開発も手がけている。閲文とはコンテンツについて提携事業が多く、以前に「ネット文学のアニメ化計画」を共同実施して「原来我是修仙大佬」「超神寵獣店」「大奉打更人」など数多くの有名作品を生み出している。テンセントアニメの売上上位30作品のうち、「閲文」の文学作品を原作にしたものがおよそ50%となっている。

閲文からすれば、今回の買収で川上から川下まで事業が広がり、効率アップにつながる。今年5月にCEOに着任した侯氏は、AIとIPを資産化することが取り組みの重点となる。公告として「資産買収の関連取引」とともに「関連取引の継続」なども発表しており、「ミニドラマのリリースやクラウドサービスについてテンセントグループとの連携を拡大していく。ミニドラマのリリース件数については、2023年~2025年で順におよそ40作、100作、160作と見積もる」と書かれている。

ミニドラマについてはこのところ、コンテンツプラットフォームによる地方都市への導入が盛んになっている。iiMedia Researchは、2023年の市場規模は前年比267.65%増の373.9億元(約7575億円)となると見込んでいる。

(中国経済新聞)