広東省は11月6日、発展改革委員会など各部門が共同で「水素産業のイノベーション発展加速に関する意見」を発表した。
これによると、2025年までに水素産業の規模を拡大し、燃料電池車の走行都市群を設け、燃料電池車の台数を1万台以上、年間の水素供給量を10万トン以上とし、水素ステーションを200か所以上建設する。また引き続き水素の供給体制を整備して利用の場も一段と拡大し、産業の主な競争力を着実に伸ばしていく。さらに、2027年までに水素産業の規模を3000億元(約6.21兆円)とする。
水素産業の成長を目指す広東省であるが、そのスタートとなる水素の出所が乏しい。一次エネルギーが少なく、石炭や石油、天然ガスに恵まれない上に水力資源もほぼ開発し尽くし、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの大規模な開発利用も遅れている。さらに、珠江デルタ地帯は産業構造の問題で、長江デルタや北京・天津・河北省エリアに比べて副産物の水素が少ない。こうした「水素不足」が燃料電池車の都市群形成における大きなネックになっている。
これに対して広東省は去年、「エネルギー発展の第14次5か年計画」、「燃料電池車の都市群形成加速への行動計画(2022-2025年)」などを相次ぎ発表した。
また市場側については、冒頭の「意見」によると、対象都市群で売値が2023年末まで35元/kg(725円/kg)未満、2024年末まで30元/kg(621円/kg)未満の水電解式水素発生および充填の一体型ステーションに対し、水素の販売量に応じて10元/kg(207円/kg)の補助金を支給する。各ステーションの補助金額は最大500万元(約1.04億円)とし、支給総額は国の予算の範囲内とする。
(中国経済新聞)