多くの著名人を輩出し、悠久の文化や歴史を誇り、外国人観光客一押しの旅行先である四川省に位置する洪雅県の柳江古鎮が、このところスポットを浴びている。成都から車で2時間程度というこの地は、800年の歴史がある。
四川省には街子、羅泉、清渓など古鎮が大変多く、ふと足を運ぶと時が止まったような感覚に陥ってしまう。のどかでゆったりし、その静けさが身も心も癒してくれる。中でもおもむきがあるのが柳江である。
「柳江」とは、清朝の中期に「柳」や「姜」という人が長い大通りを作り、のちにゆっくりと受け継がれていったことがその名の由来である。南宋時代から存在している柳江は「煙雨柳江」とも呼ばれ、しばしば夜のとばりが下りるころに弱い雨が降る。すると、旅館からはぱらぱらと雨粒の落ちる水面が目に入り、もやが立ち込め、「煙る雨に身を任せて」といった風情を頭に描いてしまう。
柳江古鎮にはまた、多くの古い大木があって、雨が降れば気温も下がる。また繁る木の葉が日差しを遮るので、暑さもしのげる。この地は商業開発もさほど進んでいない。成都から車でわずか2時間、爽やかで心地よい週末を過ごしに来るのも悪くはなかろう。
(中国経済新聞)