8月15日午前、オープンから満4年となった上海自由貿易試験区の一角にある臨港エリアで、重点プロジェクトの着工式が行われた。
実施されるのは集積回路、AI、新素材、スマート自動車などフロンティア産業のプロジェクト計12件で、総工費は288億元(約5740億円)、うち2件が100億元(2000億円)以上のものである。またフランスのエア・リキードやドイツのプロミネントなど、外国企業も立地する。
着工式では、集積回路の製造時のシーリング事業を手掛け、また上海で自動車用チップのクラスターにおける基幹事業ともなる長電科技の用地にメイン会場が設けられ、また液空中芯の東方大宗ガスステーション予定地と、華翔臨港開発センター・自動車エレクトロニクス生産基地予定地にそれぞれ分会場が設けられた。
これらのプロジェクトの中で、シリコンウェーハ大手である江蘇省の長電科技(600584.SH)の長電汽車用チップのシーリングテスト一期事業が注目株である。
長電科技は1972年に設立され、上海証券取引所で2003年、集積回路のシーリングテスト事業者として中国初の上場を果たした。資料によると、集積回路の製造及び技術サービス会社として世界第3位、中国最大手であり、中国国内や韓国、シンガポールに生産拠点6か所と開発拠点2か所を設けている。
今回の長電科技プロジェクトは、付加価値の高い自動車エレクトロニクスにスポットを当てた大きな取り組みであり、車載半導体のうち「新四化」と呼ばれるスマートコックピット、スマートコネクテッド、安全センサー、モジュールパッケージを対象とするという。センサー、TCONチップ、メモリーチップ、パワーエレメント、アナログチップなど、従来のパッケージや将来的なモジュールパッケージ、システム的なパッケージを網羅するものである。
集積回路は臨港エリアで特に力を入れている4つの業種の一つであり、今は関連企業251社が立地し、チップの設計、高規格種の製造、装備や素材、シーリングテスト、チップの取引といったトータル産業チェーンがほぼ出来上がったという。「パッケージテストがネックだった」という関係者の話では、「今回、長電のプロジェクト導入により、臨港エリアにおける集積回路のネックが解消する。その上同社は自動車用のチップのパッケージテストの専門社である。よって、臨港エリア全体で国産の自動車用チップの安全で統制可能な産業チェーンを築く上で極めて重要なものとなる」と述べている。
(中国経済新聞)