アメリカのIT大手アマゾンは6月30日、1年前の決定通りに中国での電子書籍ストアのKindleの運営を終了した。Kindleのユーザーはオンラインでの新書購入はできなくなるが、今後1年以内は購入した書籍をダウンロードすることができる。
アマゾンはまた、クラウドからのKindleのコンテンツのダウンロードは2024年6月30日までとし、この日にKindleを中国のアプリストアから削除するとも発表した。
公開データによると、アマゾンは中国で、2013年~2018年のKindleリーダーの販売数が数百万台を数えるなど、Kindle事業の拡大を進めていた。2018年の社内文書によると、中国はKindleリーダーの販売数が2017年末現在で世界全体の40%以上となり、最大の市場となったという。
しかし、高速の通信規格である4Gや5Gが急速に普及したことで電子書籍リーダーの需要が急減した。研究機関によると、中国では電子書籍が無料で閲覧しやすいこと、また印刷代が安いことから、Kindleストアの価値が薄れているとのことである。
アマゾンの公式発表によると、事業戦略の重点を見直している中、中国の他の事業は維持していくとのことである。「中国のユーザーへの長らくの約束は変わらない。中国で広範な事業基盤を打ち立て、改革や投資を続けていく」と表明している。
アマゾンはまた中国で、小売事業の不振を受けて2019年にオンラインストアを閉鎖しており、残る中国事業は越境EC、広告、クラウドサービスなどとなる。
(中国経済新聞)