北京市の医療機関で、2人のサル痘の感染患者が報告された。1人は海外からの渡航者、もう1人は渡航感染者に関係したもので、いずれも濃厚接触による感染という。これを受けて、地元疾病コントロール部門が直ちに発生源調査や治療などを行い、2人とも指定の病院に隔離されて状態は安定している。
サル痘はサル痘ウイルスによる人獣共通の感染症である。2022年5月にヨーロッパやアメリカ州でにわかに発生して急速に拡大し、同年7月に世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。現在は111の国や地域で感染者が発見されているが、WHOは2023年5月11日に緊急事態宣言を解除している。
サル痘について感染科の専門家は、感染経路が比較的単純で予防はさほど難しくないと述べる。
北京の疾病コントロール部門は今回のサル痘について、一般市民が感染する恐れは低く、予防策を身に着けて健康に留意するように勧めている。具体的には、①男性同士を中心に性的接触をした場合はリスクが高く、感染者との濃厚接触を避ける、②感染多発国で野生動物との接触を避け、捕まえて屠殺し生食するなどの行為はしない、③常に清潔にして消毒をし、手をきれいにする習慣を身に着ける、としている。
(中国経済新聞)