「蔚来」の試乗車が歩道に突っ込み1人死亡1人重傷

2023/02/16 12:22

上海市で2月3日夜、試乗中だった蔚来汽車(NIO)の車が急加速して歩道に突っ込んで子供連れの2人をはね、母親が死亡し息子が大けがをした。運転手は警察に拘束され、事故原因の調査が行われている。

中国でここ2年間、試乗車を運転中に死傷事故を起こした事例を挙げると、2020年1月に河南省鄭州で「リンカーン」が木に衝突して1人が死亡し4人が負傷、2021年4月5日に「BYD」が歩道に突っ込んで自転車に乗っていた1人が死亡、2022年7月26日には雨の降る夜に「理想L9」が86km/hで接触事故を起こし、金属のガードレールが30メートル以上にわたり損傷した。

自動車メーカーのテストエンジニアによると、電気自動車(EV)はモーターを駆動するので加速性が燃料車より強く、アクセルやブレーキも燃料車とはかなりの違いがあり、初めて運転する際はEVまずこのような特性を身につけなければならないという。さらに、モーター駆動のため普通の車より加速性能がずっと高く、20万元クラスでもスポーツカー並みの性能を備えたものもある。試乗の際にこの性能をアピールするメーカーも多いが、一般道路で急加速をすると危険な状態に陥りやすい。

試乗車が事故を起こした際の責任負担について、湖北省の「好律法律事務所」の弁護士である陳亮氏は、「通常の場合、運転者は実際に操作をしているので事故の第一責任者となり、車にトラブルがあってそれが直接の事故原因となった場合のみ運転者は免責となる。車の所有者(ディーラー)は、運転免許のない人や酒を飲んだ人に運転させた場合などを除き、責任を負うことはない」と見なしている。

陳氏はまた、「ディーラーが試乗車に保険をかけていた場合は事故について保険会社が対応処置をすべきだ。試乗前におけるディーラー側との同意書については、内容不明で評価しがたいが、同意書は一般的にディーラー側の権益を確保するものである」と述べている。

(中国経済新聞)