韓国政府と日本政府が1月初めに中国からの入国制限を一層強化し、差別的な措置を講じ始めており、すでに数年間「冷え込み」状態だった日韓両国の観光市場へさらなる打撃となっている。その後中国も対抗措置として、両国の現地大使館を通じ、1月10日から韓国人および日本人の個人用短期ビザの発給を中止すると発表した。再開の時期は別途連絡するという。
中国国家文化旅行省が1月20日に発表した、旅行会社における海外への団体旅行業務の取り扱い再開に関する通達によると、旅行先の対象となる20か国のうち日本と韓国は対象外であった。日本の観光業協会は以前に、「中国からの団来ツアーが再開しないことには本当の利益につながらない」と称している。
日韓両国の観光業における中国人観光客の大切さを見てみる。政府観光庁(JNTO)が特に重要視しているコロナ前の2019年の各データによると、外国人訪日客の数は3188.21万人で、うち中国(香港、マカオ、台湾を含む)が全体の52.6%を占める1677.56万人であった。また消費額は、中国本土の観光客が国別でトップ(1.77兆円)であり、訪日外国人全体の36.8%となっている。
韓国も同様であり、韓国観光公社(観光発展局)の統計によると、中国人に対するビザ発給条件を大きく緩和した2019年、訪韓中国人の数は2018年より30%近く伸びて過去最高となる600万人近くに達した。
しかしコロナの影響で、日韓両国とも中国人も含めた外国人観光客の数が減る一方で、観光業はたちまちにして「凍結」してしまった。
韓国では先ごろ、済州道の呉怜勲(オ・ヨンフン)知事が、「中国人観光客の早期来訪を待ち望んでいる。韓国政府は今の入国規制問題を早く解決するよう中国と話し合ってほしい。中国とチェジュを結ぶ空の便の早期運航再開を期待している」と述べている。
ある匿名の日本観光業関係者によると、業界内では中国人をハイリスクと見る向きはほとんどなく、「一番欲しいのは中国人であるが、(日本)国内の政策に本当に困っている」というのである。
上海国際問題研究院の陳友駿教授は、「日本との経済交流の土台はまだあり、経済や貿易の交流拡大を期待する有識者も多いので、これから改善するものと思われる」と述べている。
(中国経済新聞)