浙江省楽清市の人民検察院は、1997年に銀行で業務上横領を働いて25年間逃亡していた陳伊楽(Chen Yile)容疑者を2022年12月22日に楽清市で逮捕し、1月17日に横領罪、身分証明書偽造罪、重婚罪で起訴したと発表した。
検察院の発表によると、1997年、当時26歳だった陳容疑者は銀行システムの欠陥を発見し、入念な計画の末に398万元(約7500万円)を着服して、直後に温州市内の病院で整形手術を受けた。その後上海で、電柱に貼りつけられた「身分証明書偽造」のビラ広告を頼って新たな身分証を発行し、戸籍も取得した。「貴州省清遠県舞陽鎮に住む蒋〇紅」という人物に成りすましたのである。
最後の逃亡先として広東省に向かい、飛行機を降りた陳容疑者は、「身元を一身した」との思いにふけった。そして「蒋〇紅」として新たな生活を始めた。
陳容疑者は25年の間に、衛生用品の会社を立ち上げたほか、住宅や車も購入し、結婚して一女をもうけた。逮捕されるまでは夫も娘も本当の素性を知らなかったという。
陳容疑者は事件発覚ののちに嫌疑をかけられ、楽清市検察院が1997年4月14日に横領罪の疑いで立件し、逃亡犯罪人に指定し逮捕状を発令した。
当時の捜査手法を見ると、陳容疑者は世間から蒸発したかのように行動がまるでつかめず、捜査当局や親しい友人も国外へ逃亡したものと見ていた。しかし、25年間あきらめず行方を追い続け、ついに潜伏先を突き止めて逮捕に至ったのである。
(中国経済新聞)