中国最大のリクルーティングサイト「Liepin.com(猎聘)」が発表した「2022年採用動向調査報告書」(以下、報告)によると、2022年の求人数は、新型コロナウイルスの影響や中国内外の複雑な状況により、2021年に比べ減少した。
地域別では、トップ20都市のうち6都市が長江デルタ地域、4都市がグレーターベイエリア(香港、マカオ、広州、深セン)に位置している。また、2022年新規求人数が最も多かった都市は、上海、北京、深セン、広州、杭州、成都、蘇州、武漢、南京、重慶で、これらの地域は、域内総生産(GDP)のトップ10都市にもランクインしている。
求人数が最も多かった上海、北京、深セン、広州を合わせると全体の40.52%となり、その中でも上海が13.52%で1位となった。杭州、成都、蘇州は5位から7位にランクインし、新一線都市(成都、重慶、杭州、武漢、西安、天津、蘇州、南京、鄭州、長沙、東莞、青島、合肥、佛山、寧波の15都市)の中でも高い求人数を誇っている。GDPでは8位の杭州だが、求人数では5位となり、新一線都市の中では首位となった。初任給では、北京、上海、深センがトップ3にランクインし、広州を抜いた杭州が4位に躍進した。
主要産業における新規求人数を見ると、IT・インターネット・ゲームが23.74%、健康医療が9.26%、機械製造が8.85%と上位を占めている。中でも、IT・インターネット・ゲーム業界は、求人数で他を大きくリードしているものの、2021年の26.83%と比較すると減少幅が大きい。IT業界の成熟に伴い、多くの人を採用していた以前と比べ勢いがなくなってきているといえる。
また、2023年の採用について「Liepin.com(猎聘)」が行った調査によると、採用人数が前年と同程度の企業が78.64%、増やす企業が13.95%となった。採用枠の拡大を計画しているのは、エネルギー・化学工業・環境保全、半導体・電子・電気機器、機械製造の3業種で、それぞれ全体の27.27%、23.08%、22.45%の企業が採用人数を増やすとしている。
指定校求人(特定の大学に対して求人を出す採用方法)については、70.33%の企業が2023年卒業生に対して、こうした採用枠を設けており、エネルギー、金融、半導体の業種で採用人数が最も多くなっている。以前と比べ、企業が指定校求人で重視するポイントは「大学での専攻と業務内容の関連性」、「業務に関連するインターンや社会経験」、「将来性」へと変化している。
(中国経済新聞)