中国交通運輸省の徐成光次官は1月6日の記者会見で、今年の春節(旧正月)前後である1月7日から2月15日までの40日間について、すでに輸送体制を整えていると述べた。
徐次官は、今年は新型コロナウイルスの感染者が多発している時期に移動のピークを迎えるため、交通機関の利用者数、貨物輸送、そして感染リスクがいずれも増大すると述べている。
まず交通機関の利用者数について、コロナ規制が「乙類乙管」に格下げされたことで3年ぶりに自由な移動ができるようになり、長らく低迷していた客足が急激に回復する。おおまかな分析によると、春節前後の移動者数は去年の同じ時期より99.5%増えておよそ20.95億人となり、2019年同期(29.8億人)の70.3%にまで回復するという。またその中身を見ると、帰省者が約55%、出稼ぎ労働者が約24%、旅行や出張関係者が約10%である。時期的には1月27日(旧暦の正月6日目)と2月6日(同16日目)前後がUターンのピークであるという。
次に貨物輸送について、例年は旅客の移動が中心となるこの時期であるが、今年は感染者が高止まりしていることから医療物資や休暇中の生活物資、冬場のエネルギー、食糧などの輸送量がかなり増え、末端まで届かなくなる事態も起こりそうである。
さらに、一度に大勢の人が移動し、貨物も頻繁に行き交うことから、交通機関の現場勤務者の間でクラスター感染が発生する可能性が急増する。
また、生産面でもかなりのリスクが存在する。コロナの影響で2020年以降は各業界で稼働が抑えられて作業者のスキルが衰え、さらに低温や凍結など天候要因の悪影響も多発するので、生産管理面で試練を迎えることになる。
(中国経済新聞)