福建省のある株の個人投資家が、相場の操縦をしたとして証券監督管理委員会(CSRC)より今年最高額となる6億元(約110億円)近い制裁金を支払うよう命じられた。
CSRCの発表によると、福建省出身の王宝元(Wang Baoyuan)容疑者(59歳)が、渤海(Bo Hai)証券の「林さん」など145の口座を違法に使用し、様々な手段で8つの銘柄の取引価格や取引量を操るなど「相場の操縦」をしたとして、違法に入手した1.43億元(約27.3億円)の没収と罰金4.28億元(約81.8億円)、合計5.71億元(約109億円)の制裁金を課す行政処罰を下した。
CSRCは2021年末に、同じように71の口座を通じて4つの銘柄を操作し2.23億元(約42.6億円)を手に入れた山東省の潘日忠容疑者(1970年代生まれ)に対して、4.46億元(約85.3億円)の制裁金を課しているが、今回の王容疑者に対する制裁金額はこれを上回るものである。
潘容疑者は2021年、証券相場の操縦により王容疑者の1.43億元(約27.3億円)を上回る2.23億元(約42.6億円)を手に入れた。これに対してCSRCは、2005年制定の「証券法」203条に基づきその同額分となる罰金と合わせて4.46億元(約85.3億円)を支払うよう命じた。しかし今回の王容疑者に対する罰金額は利益分の3倍となり、個人の操縦行為に対して2022年最大の金額となる計6億元(約110億円)の支払いを命じている。
これについてCSRCはまず、王容疑者は様々な手段を用いて操縦行為を何度も繰り返して、その期間も長く扱った銘柄の数も多いとして、「行為は軽微なもので社会的影響が小さい」との見方を否定した。また長期にわたり資金融通をして他人の口座を使っており、その数も多く取引銘柄数もかなりの量であるとして、王容疑者の申し立てを却下した。
さらに制裁金額についてCSRCは、「適切だ」と表明した。
(中国経済新聞)