中国の海洋経済が安定した成長を維持している。海洋船舶工業や海洋エンジニアリング設備製造業などの新興分野が大きく伸び、海洋エネルギー開発や海洋観光も着実に進展している。
中国自然資源部が10月28日に明らかにした速報値によると、2026年1~9月の海洋生産総額は8兆5000億元(約199兆7500億円)となり、前年同期比4.9%増加した。海洋産業の構造改善が進み、成長の質と持続力が高まっている。
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造船業が急伸、海洋設備の新規受注額は2.2倍に
伝統的な海洋産業では、造船業の成長が目立った。修正総トン数ベースで、新規受注量、完成量、手持ち受注量はそれぞれ前年同期比98.5%増、35.0%増、41.9%増となり、中国の造船業は国際市場で引き続き高いシェアを維持した。
海運も堅調で、沿海港湾の貨物取扱量は前年同期比1.6%増、コンテナ取扱量は4.7%増となった。広西チワン族自治区では、国内で最高水準の航行等級を備える平陸運河が開通した。海洋観光では、渤海湾の海上観光連携組織が発足したほか、週末の短期旅行需要を取り込むクルーズ商品も登場した。
新興産業では、海洋エンジニアリング設備製造業が急成長した。1~9月の新規受注額は前年同期比123.3%増となり、世界市場シェアは8割を超えた。
波力発電や海水淡水化、海洋AIの実用化も進展
海洋エネルギーの開発も進んでいる。出力10キロワットの振動水柱型波力発電装置「東波1号」は初の商業受注を獲得し、単体試験から洋上風力発電所との連携実証へと前進した。
海水淡水化分野では、今年着工したプロジェクトの処理能力が1日当たり52万トンを超えた。また、海水から水素を製造し、戦略的に重要な元素を同時に回収する熱結合型システム装置が、1000時間を超える連続安定運転を達成した。
海洋分野のデジタル化も加速している。海洋産業に特化した中国初の知能型データ・計算資源供給プラットフォーム「海洋Token工場」が正式に発表され、人工知能(AI)などの技術を活用した産業高度化が進んでいる。
海洋資源開発も拡大、関連投資は15.7兆円超
海洋資源の活用も着実に進展した。海洋原油の生産量は前年同期比3.5%増となり、中国初の水深100メートル級の海底油ガス原位置拡張プラットフォームが正式に稼働した。
水産分野では、海水産品の生産量が前年同期比4.6%増、海面養殖は5.8%増となった。また、全国で新たに承認された海域・島しょの利用面積は21万9000ヘクタールに達し、関連投資額は6700億元(約15兆7450億円)を超えた。
海洋関連企業の約8割が業績・雇用を維持または拡大
海洋関連企業の経営状況も総じて良好だ。1200社超を対象としたアンケート調査では、1~9月の売上高が前年同期比で増加した企業は39.4%、横ばいは35.1%だった。従業員数については、増加した企業が25.4%、横ばいが62.8%を占めた。
通年の経済環境については、43.5%の企業が楽観的、48.3%が中立的な見方を示した。
中国の海洋経済は、造船や海運などの既存産業を基盤としながら、海洋設備、再生可能エネルギー、海水淡水化、AIを活用した情報サービスへと成長分野を広げている。今後は、技術革新と資源開発を通じて、海洋経済の競争力を一段と高められるかが焦点となる。
(中国経済新聞)
