中国欧州連合商会(中国EU商会)は、在中国の欧州企業1600社超で構成される団体として、10月16日、『欧州企業在中国建議書2026/2027』を公表した。同建議書は、在中国の欧州企業が現在の中国市場やマクロ経済、営商環境、そして中欧の経済貿易関係をどのように見ているかを総合的に示している。
長年、多国籍企業の基本的な考え方は「中国で、中国のために」だった。つまり、巨大で急速に拡大する中国国内の消費市場を重視するものだった。しかし、内需の鈍化と国内生産能力の過剰が進むなか、この考え方は急速に「中国で、世界のために」へと転換している。中国EU商会の副会長であるカルロ・ディエゴ・ダンドレア氏はこう語った。
建議書に掲載された2026年の商業信頼度調査では、会員企業の信頼感の低下傾向が「底を打ちつつある」可能性が指摘された。新型コロナウイルス禍以降、複数の主要指標で悪化のペースが初めて鈍化した。激しいコスト削減と期待値の調整を経て、地政学的リスクや市場圧力に対する不安感は、わずかに和らいでいるように見える。
ただ、楽観はまだ早い。2026年に「経営が困難になった」と回答した企業は68%に低下したものの、これは過去12年間で2番目に高い水準であり、2024年と並び、2025年の73%に次ぐ数字である。
市場への参入と公共調達における待遇の格差は、依然として最も多く指摘される問題点である。最新の調査では、29%の企業が政府調達で「差別的扱い」を受けたと報告し、21%が国有企業の調達でも同様の障壁に直面した。特に医療機器や情報通信技術などの技術集約型産業で、この傾向が顕著である。
建議書はイタリア中央銀行の分析を引用し、2023年末以降の中国の輸出急増のうち約75%が国内要因によるものと指摘する。内需不足が58%、政府補助金が22%、グリーン産業の技術向上が13%を占め、米国の関税などの外部要因はわずか約7%に過ぎない。一方で商会は、欧州側のエネルギー転換需要や極端な猛暑によるエアコン需要の増加も、輸入拡大に寄与していると指摘する。実際、欧州市場で販売台数上位のエアコンブランドはいずれも中国製である。
投資戦略の面では、在中国の欧州企業は依然として現実的な姿勢を崩していない。建議書は中国の製造業の生態系を、多国籍企業にとっての「世界のジム」に例える。産業の集積速度、規模の経済、激しい競争環境は世界でも類を見ない。ここから離れれば、中国企業と世界市場で長期的に対抗することは難しくなるという認識だ。
ただし、「中国に残るのが研究開発だけになり、対等な国内市場へのアクセスが得られなければ、多国籍企業がここに留まる商業的な論理は根本から揺らぐ」とダンドレア氏は警告する。
建議書は最後に、二国間貿易が「一方が純利益、他方が純損失」というゼロサムゲームに陥れば、その関係は本質的に脆弱で持続不可能だと訴える。双方は、経済安全保障上重要な戦略分野を明確に定めたうえで、より広い一般的な商業分野では対等な開放性・確実性・予測可能性を企業に提供する、制度化された枠組みを早急に構築する必要がある、と結論づけている。
(中国経済新聞)
