北京で「アメリカシロヒトリ」が大量発生 幼虫が“爆食期”に、防除が正念場

2026/08/6 11:00

北京市ではこのほど、一部の街路樹に白い巣網(テント状の網)が目立つようになり、その内部で大量のアメリカシロヒトリの幼虫が葉を食い荒らしている。現在は第2世代幼虫の防除における重要な時期に当たり、幼虫は「爆食期」に入っていることから、市当局は集中的な対策を進めている。

中国林業科学研究院の首席科学者で北京市政府参事の楊忠岐教授によると、アメリカシロヒトリは街路樹や公園の樹木の葉を大量に食害し、景観を損なうだけでなく、樹木の生育や都市の生態環境にも悪影響を及ぼすという。

市民の間では「鳥が食べて駆除できないのか」との声もあるが、幼虫の体毛には毒性があり、多くの鳥は好んで捕食しない。シジュウカラ類などが食べる例も確認されているものの、防除効果は限定的だ。

アメリカシロヒトリは北米原産で、現地では寄生バチなど56種類の天敵によって個体数が抑えられている。一方、中国では侵入当初に天敵が少なかったため急速に繁殖した。その後の調査で、中国には35種類以上の在来天敵が寄生することが確認されている。

なかでも最も効果が高いとされるのが、楊教授が発見・命名した寄生バチ「周氏噛小蜂」である。このハチはアメリカシロヒトリの蛹に産卵し、幼虫が内部を食べ尽くすことで害虫を駆除する。北京市ではすでに約2億9,200万匹を放飼し、生物防除を進めている。

今年は暖冬で越冬蛹の生存率が高かったことに加え、高温多雨の気象条件が重なり、例年より発生量が多い。通常は年間3世代だが、今年は「3.5世代」まで発生する可能性も指摘されている。

現在の幼虫は4~5齢となり、巣網を破って一斉に樹木全体へ広がる段階に入っている。1つの巣網には300~400匹の幼虫がおり、わずか数日で1本の樹木の葉を食べ尽くすこともあるという。

専門家は、発生が多い地域では高効率・低毒性の薬剤による防除が必要としている。現在使用されている核多角体ウイルス製剤はアメリカシロヒトリにのみ作用するため、他の昆虫や鳥類への影響は極めて小さいという。また、市では被害が確認された樹木だけを対象に薬剤を散布する「ピンポイント防除」を実施している。

さらに、幼虫が蛹化する前に樹幹へわら束を巻き付け、集まった幼虫をまとめて除去する方法も有効とされる。楊教授は「第2世代の防除を徹底できれば、第3世代の大発生を抑えることができる」として、関係機関と市民に早期対応を呼びかけている。

(中国経済新聞)