中国デジタル産業、2025年売上高830兆円に AI・6Gが成長をけん引

2026/07/27 12:30

中国国家インターネット情報弁公室はこのほど、「国家情報化発展報告(2025年)」を公表した。報告によると、2025年の中国デジタル産業の売上高は39兆6,000億元(約830兆円、1元=約21円換算)となり、前年比8.8%増加した。デジタル経済の中核産業が国内総生産(GDP)に占める割合は10.5%を超え、中国経済におけるデジタル産業の存在感が一段と高まった。

報告では、2025年は「第14次5カ年計画(2021~2025年)」の最終年に当たり、「第14次5カ年国家情報化計画」に掲げられた各種目標を順調に達成したと総括した。ネットワーク・情報技術(ICT)の研究開発で新たな成果を挙げたほか、デジタル基盤や産業エコシステム、重点分野での情報化活用、法制度整備、国際協力など幅広い分野で進展が見られ、情報化は重点分野の強化から社会全体を支える段階へと移行したとしている。

技術革新では、中国の情報通信分野におけるPCT(特許協力条約)国際特許出願件数が5年連続で3万件を超え、世界全体の約36%を占めた。量子技術では、超伝導量子コンピューター「祖沖之3号」が量子計算性能で新たな記録を更新したほか、次世代通信規格「6G」の研究開発と標準化も着実に進展し、第1段階の技術試験を完了、300件を超える中核技術を蓄積した。

人工知能(AI)の発展も加速した。中国では高性能な大規模言語モデル(LLM)の数と性能が向上し、複数のモデルが世界トップレベルの性能を実現。オープンソースAIモデルの世界ダウンロード数は世界首位となった。

生成AIの普及も急速に進み、2025年末時点で748件の生成AIサービスが当局への登録を完了し、このうち446件は2025年中に新たに登録された。生成AIの利用者数は6億200万人に達し、前年比141.7%増と大幅に拡大した。

また、フィジカルAI(エンボディドAI)の実用化も進展した。2025年にはヒューマノイドロボットの量産化が本格化し、中国国内の完成品メーカーは140社を超え、市場には330種類以上のヒューマノイドロボットが投入された。

デジタルインフラの整備も加速した。2025年には5G基地局が58万8,000局新設され、累計は483万8,000局に到達。5G利用率は84.7%まで上昇し、全国330以上の都市で5G-Advanced(5G-A)ネットワークが利用可能となった。

計算能力(コンピューティングパワー)の基盤整備も進み、2025年末時点で国内の稼働中データセンター設備は1,373万標準ラックを超えた。さらに、1万枚以上のAIアクセラレーターを備えた大規模AI計算クラスターが42カ所整備され、AI向け演算能力は159万PFLOPS(FP16)に達した。

報告は、「第15次5カ年計画(2026~2030年)」期間を、ネットワーク強国建設に向けた基盤固めと本格的な発展を進める重要な時期と位置付けている。今後はデジタル化、ネットワーク化、インテリジェント化がさらに進展し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速やネットワーク連携の高度化、AIを活用した産業高度化が一層進むと予測した。

その上で、中国政府は科学技術イノベーションを原動力に、産業エコシステムの強化、デジタルインフラ整備、重点分野への応用拡大、法制度・標準化の整備を進めることで、情報化を経済・社会の高品質な発展を支える中核基盤として育成していく方針を示している。

(中国経済新聞)