華潤置地、上場30周年で新戦略始動 「3本の成長曲線」で次の成長へ

2026/06/30 18:30

中国の大手不動産デベロッパー、華潤置地(ファールン・ランド)は、香港証券取引所への上場30周年を迎えたことを受け、新たなブランドテーマ「革新へ、未来へ(向新・向未来)」を発表した。2026年は同社にとって上場30周年であると同時に、中国の第15次5カ年計画(「十五五」計画)のスタートの年でもあり、新たな成長戦略を打ち出した。

華潤置地は1996年に香港証券取引所へ上場。当時の時価総額は約17億香港ドルだったが、現在は住宅開発・販売、商業施設運営、資産運用、都市運営など幅広い事業を展開し、中国180都市以上で事業を行う都市投資・開発・運営企業へと成長した。現在の時価総額は2,000億香港ドル(約3兆8,000億円、1香港ドル=約19円換算)を超え、中国不動産株で最大規模となっている。

中国の都市化率が67%を超え、不動産市場が新築中心の成長から既存資産の価値向上を重視する段階へ移行する中、同社は「革新へ、未来へ」を新たな企業理念として掲げた。

「革新へ」は、新たな発展段階に対応するため、発想の転換とイノベーションを軸に、「3本の成長曲線」の相乗効果を高め、高品質かつ持続可能な事業構造を構築することを目指すもの。「未来へ」は、長期的な企業価値創出を重視し、「投資・開発・運営」を一体化した中核能力をさらに強化することで、「世界一流の都市投資・開発・運営企業」の実現を目標としている。

華潤置地は、中国不動産市場の変化に合わせて3度の大きな戦略転換を進めてきた。

2005年には、「住宅開発+投資用不動産」の**「双輪駆動」モデル**を確立。住宅販売に加え、深圳万象城(MixC)をはじめとする大型商業施設の開発・運営を本格化し、安定した賃貸収入を確保する事業基盤を築いた。

2019年には、「都市投資・開発・運営企業」への転換を宣言。不動産開発に加え、都市全体の価値創出を担う事業モデルへと進化した。

さらに2026年には、「十五五」計画に合わせ、新たな高品質成長モデルとして「3本の成長曲線」を正式に打ち出した。

第1の成長曲線は開発・販売事業である。高品質住宅の供給を強化し、2025年の契約販売額は2,336億元(約4兆9,000億円、1元=約21円換算)で業界トップ3に入った。このうち一線都市での販売比率は45%に達し、主要都市で高い競争力を維持している。

第2の成長曲線は収益型不動産事業である。ショッピングモール、オフィスビル、ホテル、賃貸住宅などを運営し、2025年末時点の資産運用規模は5,022億元(約10兆5,000億円)となった。営業中のショッピングモールは98施設、賃料収入は219億元(約4,600億円)に達し、82施設が所在都市で小売売上高トップ3に入っている。

第3の成長曲線は軽資産運営・都市サービス事業である。商業施設運営、都市空間管理、資産運営、文化・スポーツ施設運営、賃貸住宅管理、ホテル運営など幅広い分野を展開している。2025年にはグループ会社の華潤万象生活の売上高が180億2,000万元(約3,780億円)、コア純利益は39億5,000万元(約830億円)となり、運営する商業施設は全国135カ所、会員数は7,488万人を突破した。

華潤置地は、「革新へ、未来へ」を上場30周年のスローガンとして掲げるとともに、不動産開発から資産運営、都市サービスまでを一体化した新たな事業モデルを通じて、高品質な成長を目指す方針を明確にした。

同社は、「開発」「運営」「サービス」の3事業を相互に連携させることで持続的な企業価値を創出し、「世界一流の都市投資・開発・運営企業」の実現に向けて取り組みを加速していくとしている。

(中国経済新聞)