1月28日、中国のスナック菓子チェーン大手である湖南「鳴鳴很忙」チェン股份有限公司は、香港証券取引所メインボードに上場した。同社は「零食很忙」と「趙一鳴零食」という二つの量販型スナックブランドを統合して誕生した企業であり、香港市場において量販型スナック専門チェーンとして初の上場事例となった。
同社は1株236.6香港ドルで1,410万株を公開し、約33億香港ドルを調達した。上場時の時価総額は約473億香港ドルであったが、初日の取引開始直後から買いが集中し、株価は公開価格を大きく上回る445香港ドルまで上昇した。これにより、時価総額は約959億香港ドルに達し、日本円換算でおよそ1兆8,800億円規模となった。

「鳴鳴很忙」を率いるのは、いずれも1985年前後生まれの創業者である晏周氏と趙定氏である。両氏は街角の小規模店舗から事業を開始し、地方都市や農村部を中心とする価格志向の消費市場に着目した。量販モデルを採用し、多ブランド・多品目・多規格の商品を一括して低価格で提供することで、急速に顧客基盤を拡大していった。あわせて流通と仕入れの仕組みを再構築し、高いコストパフォーマンスを実現したことが成長を後押しした。
現在、同社は全国で約2万店に迫る店舗ネットワークを構築している。2024年の商品取引総額(GMV)は555億元に達し、中国におけるスナック・飲料分野の小売チェーンとして最大規模となった。2025年9月末までの9か月間のGMVは661億元と、前年同期比で74.5%増加している。
業績面では、2025年前3四半期の売上高が464億元、調整後純利益が18億元となった。これは1日あたり約660万円に相当する利益水準であり、事業規模と収益力の両面で急成長を示している。
資本面では、合併前の両ブランド時代から紅杉中国、黑蚁資本、高榕創投などの投資ファンドや、食品メーカーの好想你が出資していた。統合後も10億元を超える資金調達を実施し、上場時にはテンセント、淡馬錫、ブラックロック、フィデリティなど8社の基石投資家が参加した。基石投資家による引き受け額は約1.95億米ドルに達し、調達総額の約46%を占めている。
上場後の株主構成を見ると、晏周氏は直接保有分に加え、従業員持株制度を通じて議決権を保持しており、赵定氏と合わせて58.64%の議決権を掌握している。上場初日の時価総額を基に算出すると、晏周氏の保有資産価値は約231億香港ドル、赵定氏は約203億香港ドルとなり、両氏はいずれも日本円で4,000億円前後の資産規模に達した。
「鳴鳴很忙」の上場は、地方市場を起点とした量販モデルが中国の消費市場で大きな競争力を持つことを示した事例といえる。今回の香港上場は、同社にとって資金調達の手段であると同時に、中国発の新興消費企業が国際資本市場に進出する象徴的な出来事となった。
(中国経済新聞)
