上海・浦東新区の元党委書記で、中国共産党第20期中央委員会の元補欠委員だった朱芝松(しゅ・ししょう)氏の収賄事件が、失脚から約1年を経て新たな局面を迎えた。国家監察委員会による調査が終了し、11月11日、江西省南昌市人民検察院が南昌市中級人民法院に公訴した。なお、10月に開かれた中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議(四中全会)で、朱氏の党籍剥奪が正式に決定されている。
朱氏の経歴によると、2014年5月に上海市委員会宣伝部副部長に就任し、浦東新区党委書記を務めていた2024年11月に調査を受けた。容疑の期間は約10年にわたる可能性がある。
今年6月10日、朱氏は「双開」(党籍および公職の両方を剥奪)処分を受け、司法機関に移送された。公式発表によれば、朱氏は理想と信念を喪失し、初心と使命を裏切ったうえ、党に対して不忠実かつ不誠実で、組織の調査に抵抗したとされる。さらに、「中央八項規定」の精神を無視し、長期間にわたり職務の公正性に影響を及ぼす可能性のある宴席を受け入れ、他人に自身の負担すべき費用を支払わせていたという。
また、組織原則を欠き、個人事項を正しく報告せず、人事面で他者に便宜を図ったほか、廉潔の一線を越えて職権や影響力を利用し、親族に利益をもたらしていたことが明らかにされた。加えて、規定に違反して贈答品や金品、プリペイドカードなどを受け取っていたという。
さらに、国有土地使用権の譲渡価格を不正に引き下げる決定を行い、建設プロジェクトの受注に不正介入するなど、職務上の便宜を利用して他者に利益を与え、巨額の賄賂を受け取ったとされている。
(中国経済新聞)
