東京都内で海南省の観光プロモーションイベントに参加

2025/05/26 13:00

5月25日、東京都内で行われた中国・海南省の観光プロモーションイベントに子供連れで参加した。

  • 司会者の男性と海南省出身の女性の掛け合い。普通の中国語とは全く違う海南省の言葉を披露していた。

前回のコラムで「このところ中国の誘致イベントが盛んに行われている」と書いたが、今回は場所も都内の超一等地である虎ノ門で、屋外の屋根付き会場だった。入場無料でプログラムは3部構成、景品もどっさりとそろえており、一段と気合の入ったイベントだった。

ところで海南省は、中国の一番南にある島で常夏のリゾート地であり、日本でいう沖縄やアメリカのハワイ州のような存在である。このところ貿易の自由化やビザ免除措置、免税待遇などを実施して観光客誘致に大変力を入れている。このステージの上に、中国語読みである「HAINAN」と書かれてあるが、一見「HAWAII」に見えてしまう。

  • 海南省の民族衣装を披露するファッションショー。写真ではわかりにくいがモデルの女性は身長が180㎝以上もありそうだった。
  • 伝統楽器を演奏。かわるがわる4種類の笛を吹き鳴らした。
  • 鮮やかな衣装を着て民族舞踊を演じる。

このダンスパフォーマンスは圧巻で、若い男女5人ずつがアイドルユニットの振り付けのような踊りを見せ、最後は男女がペアになって、女性が男性の体を高々と持ち上げていた。

  • そのダンサーたちが観光PRのプレートを手にして子供たちとともに記念撮影をした。

海南省と言えばまず省都の海口、そして最南端の三亜が有名都市であるが、現地のスタッフの話によると、今は掲げたプレートに書かれている「文昌」というところを盛んにPRしているという。

  • その文昌を紹介するパンフレット類がたっぷりと配布されていた。

右下にある「航空航天」とは宇宙関連のことであり、文昌には衛星の打ち上げ基地があるという。

なお「宇宙」は中国語で、同じく“宇宙”という言葉もあるがあまり使わず、主に“航天”“太空” “空间”などという言葉を使う。「宇宙船」は“太空船”、「宇宙望遠鏡」は“空间望远镜”、「宇宙人」は“外星人”などという。

余談であるが、最近中国が大いに開発を進めている“低空经济”とは、ドローンや空飛ぶクルマなど、衛星や飛行機よりはるかに低い空を飛ぶ物体を指す。「経済が低空飛行をしている」という意味ではない。中国語にも“低空飞行”という言葉があるが、比喩的には使わず純粋に低い空を飛ぶことを指す。

  • 子供たちに配っていたぬいぐるみ。宇宙飛行士をイメージしたものという

四川省成都青羊区に続いて中国地方都市の誘致イベントに参加してみたが、今回は企業ではなく観光誘致であった。来場者の多くは中国人だったようだが、中国が今、本気で外国人観光客の誘致に懸命に取り組んでいる姿が印象に残った。現地の中国人は概して外国人に親しみを感じるほか、積極的に外国語を学ぼうとする姿勢も強い。日本のようにオーバーツーリズムやインバウンドの弊害などといった報道は見当たらない。

(文:森 雅継)

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【筆者】森雅継、東京都出身、早稲田大学商学部卒。北京在住歴17年で中国人の妻との間に2児、現在は家族4人で千葉県に在住。