4月19日、北京の亦荘で、世界初となる人型ロボットのハーフマラソン大会が開かれた。各チーム所有のロボットが、人間と一緒に21.0975キロのコースで健脚を競った。

最初にゴールしたロボットは「天工 1.2max」で、タイムは2時間40分24秒であった。
マラソンとはいえ、全コースを走ったわけではなく安全策を取って「競歩」として参加したロボットも多かった。時速は5.4キロ程度であったが、EAIのロボットの動きは柔軟性に富んでいた。

今回、ロボットは単独では走らずに2、3人の伴走者がおり、チームとしての参加となったことから、ロボット自身の走りだけでなく人によるサポートも問われるレースとなった。

ロボットは「疲れた」などとは言わないが、電気を使い切ることもある。1台のロボットでバッテリーを換えずに走り切ることが望ましいとされながら、走行中のバッテリーの交換や本体の同一形式のものへの入れ替えも認められた。ただし、補給地点以外の場所で交換した場合はペナルティータイムが科せられる。

よって、競技成績は走行時間+ペナルティータイムとなり、トップでゴールしても優勝とはならないこともありうる。
またバッテリー交換時間も走行タイムに含まれるので、ロボットとスタッフが息を合わせなくてはならない。少しでも時間を省こうと「電源を切らずに交換」するロボットも見られた。

ロボットはまた、走行時間が長くなると関節が過熱する恐れが生じるので、研究所でよく見られるようにチームのメンバーが適時冷却液を吹き付ける必要もある。
全長21キロのコースはフラットな部分もあればアップダウン(最大傾斜度9°)もあり、また曲がり角や凹凸路面にも出くわす。ロボットは車輪や外的な動力を借りてはならず、「2本の脚で走行」という形をとらなくてはいけない。

レースが進むにつれてロボットが相次ぎ倒れていった中、一番人気でトップを走り続けた「天工 1.2max」も15キロ地点で転倒し、直ちに「補欠」のロボットに交代した。
「天工 1.2max」はしかし、このアクシデントにもめげず、人間でトップの選手に遅れること1時間38分でゴールインし、ロボット勢の初代チャンピオンに輝いた。
「天工 1.2max」は身長180 cmで、ロボットには珍しく「長い脚」を備え、通常は平均10km/hで走行できるが、今回のレースは8-10 km/hで走った。

「天工」チームの広報担当である魏嘉星さんは、「今大会で好成績を出すため、本体を安定させ、軽量化したほか、長時間の運動による関節の発熱などといった問題に取り組んだ。また、運動制御アルゴリズムを改良することで関節の運動能力や歩行姿勢の調整力、複雑な地形の走破力などを一段と強化し、平均7—8 km/hで走れるようにした」と語った。
(中国経済新聞)