12月23日夜、スイッチング電源製品の研究、開発、製造、販売を手掛けるオナー・エレクトロニック(欧陸通)は、ともに経営幹部である尚韵思氏と王越天氏の夫婦が協議離婚したと発表した。これに伴い、2人が株主となっている持ち株会社の「南京王越科王創業投資パートナー」(有限パートナー)(以下「王越科王」)の資産について、王越天氏が保有している株式の12.04775%を尚氏に譲渡するという。
資料によると、オナー・エレクトロニックは1996年5月29日設立で、2020年8月に上場し、王合球氏と王玉琳氏の夫婦と、その長男で1989年生まれ、今年35歳の王越天氏、およびその妻である尚韵思氏が経営する同族会社である。オフィスの電子機器やテレビのネットワーク接続機器、セキュリティー品などに使われる電源のアダプターやサーバーのスイッチングを扱っている。
オナー・エレクトロニックの時価総額は12月23日の終値時点で115.36億元(約2482億円)となっており、尚韵思氏が手に入れる王越科王の12.04775%分の株式は時価4.015億元(約86.4億円)相当となる。
中国では今年に入り、経営者や主要株主の離婚またはその余波によるトラブルを起こした上場会社の数が少なくとも13社あり、これにより分与された株式の数は合計2.71億株、時価にして67億元(約1142億円)相当に達している。
これら上場会社の主な株主の離婚トラブルのうち、会社の公表日または離婚発表日における株価で計算した場合、8社は「手切れ金」が億単位になっている。金額順に会社名を挙げると、バイオ薬品メーカーの長春高新(約40億元=約861億円)、ケア用品の可靠(約6億元=約129億円)、上海滬工(約4.9億元=約105億円)、オナー・エレクトロニック(約4億元=約86億円)、縦横(約3.3億元=約71億円)、銘利达(約2.6億元=約56億円)となる。
この中でトップである長春高新は、主要株主である金磊氏が元妻の王思勉氏に対し、公告日の終値133.41元/株(約2871円/株)計算で40.04億元(約861億円)に相当する株式を分与している。
また「可靠」は、経営者で会長、総経理である金利偉氏が元妻の鮑佳氏に時価6億元(約129億円)以上の株式を分与している。夫婦2人で立ち上げた会社である故に株式はほぼ均等割りであったが、離婚ということで経営管理面で対立が生じる恐れもある。
(中国経済新聞)