名創優品、約1289億円で永輝超市の株式29.4%を取得

2024/09/26 13:30

中国の大手雑貨チェーン「名創優品(MINISO、メイソウ)」は9月23日、小売大手の「永輝超市(Yonghui Superstores)」の株式のうち、「デイリーファーム」保有の21.1%分と京東が保有する8.3%分の合わせて29.4%を約63億元(約1289億円)で取得すると発表した。

永輝は、生鮮食料品を販売するスーパーマーケットチェーン店の運営会社であり、大型総合スーパーや中規模スーパー、団地内のスーパーなど、25の省や直轄市であわせて約850の店舗を抱えているという。

名創優品は、「今回の株式取得により永輝の筆頭株主となり、現場での販売店網が一段と拡大する見通し」と表明した。今後は両者の提携により低コストで優れた品物を生み出し、差別化が進んで競争力がつくものと見られる。永輝は中国で強力な店舗ネットワークやサプライチェーンを築いており、今後は資源をシェアすることで規模によるメリットが一段と鮮明になり、コスト構造が改善して投資効果が引き上がる。

永輝も今回の株式の大幅な売却について同時期に発表したが、その理由は明らかにしていない。社内の関係者によると、小売り業界は経営が不振であり、大手とも言える永輝もかなりの重圧を抱えているという。最近は広報の事業部をごっそりと福建省の本社に配置転換させ、中には退職した人もいたという。こうした動きは業界内で、経費の節減または本社の統制力を向上させるためと見られている。

永輝は、2024年の上半期の売上高は去年同期よりやや下がって377.79億元(約7728億円)であった。ただし消費の伸び悩みに苦しむ中、閉店や体制面での改革を施した結果、会社帰属の純利益として2.75億元(約56.2億円)を計上している。

(中国経済新聞)