自動車メーカーのホンダは、8月の中国での販売台数が約5.7万台で、前年同月より44.3%も少なかった。2か月連続で40%以上の前年割れとなる。挽回を目指して複数の車種を4万元(約80万円)以上値下げしたが、成果は出なかった。今年1~8月の販売累計は前年比27.2%減の約52.54万台となっている。
ホンダは、現地との合弁会社である広汽ホンダが10月に年産5万台の第4ラインを閉鎖し、同じく合弁の東風ホンダが11月に年産24万台の第2ラインを稼働停止する予定である。これにより中国での生産体制は、それまでの149万台から120万台となる。また、東風ホンダは9月に、広汽ホンダは11月にそれぞれ(電気自動車)EV専用の工場を稼働させ、電動化への転換を加速させる。
ガソリン車がメインである日系自動車メーカーは今、中国での販売台数が減っている。中国乗用車市場情報連席会(以下「乗連会」)によると、7月、主な外資系メーカーの販売台数の合計は前年比25%減の44万台で、うち日系メーカーのシェアは同3ポイント減の12.9%であった。対照的に中国メーカーは13%増の106万台で、シェアは8.5ポイント増の61.8%となっている。
また海外の今年1~7月の市場シェアについて、同じく乗連会によると、トヨタ自動車が11.2%で世界トップ、ホンダが4.3%で8位、スズキが3.6%で10位だった。中国EV大手のBYDは4.1%で中国勢唯一のベスト10入りとなる9位、ホンダとの差はわずか0.2%であった。乗連会の崔東樹事務局長はBYDについて、「世界的に販売台数を急激に伸ばしており、中でも中国やブラジルなどでの伸びが顕著だ」と述べている。
中国は今年上半期、ブラジルへの自動車輸出台数が17.1万台で、前年比488%と一気に増大した。ブラジル進出を果たしているのはBYDのほか、「奇瑞」と「長城」がある。ブラジル電気自動車協会(ABVE)によると、今年上半期の新エネ車販売台数は前年比146%プラスであった。BYDは今年3月、ブラジルに総工費55億レアル(約1407億円)をかけて総合生産拠点を着工しており、まずは年産15万台体制とする見込みである。BYDの今年1~5月の現地での新エネ車販売台数は約1.9万台で、市場シェアは70%以上に達している。
(中国経済新聞)