ショッピングアプリのPOIZON、従業員数を5%削減

2024/08/17 07:30

中国で、鑑定システムで信頼を獲得したスニーカーメインのECアプリ「得物」(POIZON)が、従業員数をおよそ5%削減すると発表した。2024年第1四半期の従業員数はおよそ10000人なので、500人前後が削減対象となる。こうした策は、通販業界が競争の激化や社内の効率低下に見舞われている中、会社全体の機能を引き上げるために下した事業の見直しである。

POIZONは、APPの「毒」を前身として2015年に誕生し、情報交流やスポーツシューズの鑑定サービスを手掛けている。2017年からオンライン取引を始め、事業をコミュニティーから通販へと拡大し、若者たちに親しまれるようになった。

POIZONは主な取扱品目がスポーツシューズやファッションなどニッチ商品であり、様々なトレンド品を扱う通販サイトとなっている。今年4月には、評価額710億元(約1.46兆円)で「2024年胡潤世界ユニコーンランキング」に登場している。しかし通販業界で「つぶし合い」が深刻化していることから、経営が難しくなっている。社内の関係者によると、このところ事業が急速に成長してはいるが組織効率は落ちているという。今回の人員整理は長期的な安定や競争力の維持に向けて資源を有効に配分するためとしている。

POIZONは2024年6月、河北省廊坊の倉庫で、賃金問題によるストライキが発生しており、7月にはリストラされたある社員が、「強引な首切り」で80万元余りの先物権を失った、と主張した。これによりPOIZONはイメージが悪くなった上に、マネジメントに問題ありと見られるようになっている。

POIZONは通販業界で、激しい競争に見舞われている。外部の統計によると、中国の2022年の通販サイトのシェア上位陣はアリババが42.7%、京東が19.1%、拼多多が15.5%となっており、残りの分をPOIZONがTiktokや快手や蘇寧などと奪い合っている。またトレンド品については、小紅書の「潮流薯」、閑魚の「閑魚潮社」、「バイトダンス」の「Tiktok盒子」などと奪い合いを演じている。

POIZONはこうした事態を前に、新たな事業の模索に取り組んでいる。2023年にはブームに乗ってペットの鑑定機能を打ち出した。また消費者金融にも乗り出し、関連会社の「睹煜情報」を通じて、「瀚華金控」傘下の「瀚華小貸」を8億元で買収し本格参入している。さらにはテクノロジーについて、新品のオリジナル品をいち早く届けられるようにAIを利用して複合的な鑑定を実施している。またスムーズで高機能、より安全なトータル場面で品選びができるように、ファーウェイのHarmonyOSアプリの開発も始めている。

(中国経済新聞)