収賄額100億円超、元中国銀行幹部に猶予付き死刑判決

2024/01/3 20:30

江蘇省鎮江市中級人民裁判所は2023年12月29日、元中国銀行監督管理委員会の共産党委員で副主席の蔡鄂生容疑者に対し、収賄罪、影響力収賄罪、職権乱用罪で2年間の執行猶予付きで死刑とし、政治的権利を終身はく奪し全財産を没収するとの判決を言い渡した。猶予期間終了後に無期懲役に減刑されるが、減刑や仮釈放は認めない。また不正に獲得した所得や収益の国への上納を命じた。

蔡容疑者は、2006年から2021年にかけて、職務を利用して他人に便宜を図り、4.07億元(約80.8億円)以上に渡る金品を不正に受け取ったほか、別の政府関係者を介して同じく便宜を図り、合わせて1.1億元(約21.8億円)以上の金品を得た。つまり在職期間中に5億元(約100億円)以上を不正に手に入れたことになる。さらには職権乱用により国や国民に重大な損失をもたらした。

鎮江市中級人民裁判所は蔡容疑者に対し、罪状3件を適用し、手にした額も巨額で、国や国民に著しい損失をもたらしたとして、執行猶予付きの死刑判決を言い渡した。蔡容疑者が出頭し事実を認め、反省し、所得の返金や金品の一部をすでに上納していることを踏まえ、執行猶予付きとしている。猶予期間終了後は無期懲役に減刑されるが、減刑や仮釈放は認めない。今回の犯罪の性質や社会への影響度を重く見たものである。

(中国経済新聞)