中国自動車、1500万台分の生産設備が遊休状態

2023/07/26 11:30

2018年初め、フォードのMustangの中国語名が自社名に似ているとして提訴し、フォードの中国法人から賠償金として100万元(約1976万円)を獲得した上、公式の謝罪声明を発表させた中国の自動車メーカー「四川野馬汽車」が7月21日、破産申告をした。申請者は重慶森邁汽車配件で、届け出先は四川省成都市の竜泉駅区人民裁判所である。

中国乗用車連合会のデータでは、野馬汽車は去年12月は販売台数が3桁であったが、2023年に入ると完全に動きが止まり、6月までの生産販売台数(雷丁を除く)はゼロであった。なお去年の上半期は生産7614台、販売8226台であった。

さらに中国全体の自動車界を見ると、生産・販売合わせて85社が存在する中、今年6月の販売台数が1万台以上だったのは21社のみであった。2022年は31社がガソリン車の販売台数10万台未満で、うち11社がゼロだった。

中国の自動車界は現在、生産設備が極めて過剰である。2022年は年末の時点で乗用車の生産設備が計4289万台分であったが、年間生産実績は2702万台で、稼働率は63%であり、1500万台分の設備が遊休状態であった。国際的な慣行では、設備の稼働率が75%未満となれば深刻な過剰となる。

長安汽車の朱華栄会長など各自動車メーカーの幹部は、中国自動車界の設備過剰やつぶし合いについてこれまで何度も警告を発している。朱会長は以前、「社内のまとめでは、過去3年間に操業中止となった自動車ブランドは75社で、今後2、3年で少なく見ても60%~70%が操業中止となる」と述べている。

ある自動車メーカーの幹部は、「2025年になればランキング上位の10社がマーケットシェアの90%を占めると予測しており、今はどこもその10社の座を狙って懸命に努力している」と述べた。

(中国経済新聞)