中国電子商取引(EC)最大手のアリババグループが運営する旅行サイト「飛猪(Fliggy)」は5月31日、大阪観光局と戦略的協力協定に調印し、大阪への中国人観光客の誘致を行うことを発表した。
今回の戦略提携は、2025年の大阪・関西万博を見据えており、大阪の観光資源を軸に、デジタルマーケティングの活用と大阪のブランド力の向上に向け協力し、中国の人が興味を持つ新旧を融合した大阪の旅を提案することを目的としている。
中国人の海外旅行(アウトバウンド)市場は、今年に入り急速に回復しており、大阪を訪れる中国人観光客の数も徐々に増えてきている。
「飛猪(Fliggy)」のデータによると、4月における大阪へのフライト予約数は昨年比9倍、大阪のホテル予約数は昨年比20倍以上に増加している。また夏休み中の大阪旅行商品への予約数は3万件近くに達しており、特に同社が6月18日(中国最大のオンラインセールの日)を記念した旅行商品「ペアーで行く関西2泊3日の旅」へは4時間で1万件を超える予約があった。
大阪観光局理事長の溝端宏氏は「飛猪は、旅行や新しいことが好きな中国の若者に支持されており、今回の戦略提携により、より多くの中国の若者を日本や大阪へ呼び込み、大阪への理解と友好を深めてほしい」と述べた。 飛猪の庄卓然(ジュワン・ジャオラン)CEOは「同プラットフォームにおける消費者の60%以上は90後(1990年以降に生まれた世代)で、この世代は、従来の観光よりも、本格的で情報量の多い楽しい旅行に魅力を感じている。大阪は、エネルギーに満ちた街として中国で知られており、グルメ、ショッピング、ポップカルチャー、スポーツイベントなどが充実しおり、90後のニーズにマッチしている。飛猪は、デジタル技術、コンテンツマーケティングを活用し、中国の消費者に向けて高品質で多様な大阪旅行を提案、大阪・観光産業の発展に新たなエネルギーを注ぎ込む」と述べた。