中国、米国産トウモロコシの注文を3週間で83万トン取り消し

2023/05/20 11:55

中国は、過去3週間で最大83万トンの米国産トウモロコシの注文をキャンセルした。

米国が発表した公式の数字によると、中国のバイヤーによるトウモロコシの購入は主に家畜の飼料用で、中国国内の飼料の安定供給を確保するために、3月14日から4月14日の間に約400万トンのトウモロコシを購入した。しかし、今年のブラジルは歴史的なトウモロコシの大豊作で、米イリノイ大学の予想では過去最高の5000万トンとされ、米国のトウモロコシを抜いて世界1位になると言われている。そのため、ブラジルではトウモロコシの価格が急落しており、ブラジル証券取引所のデータによると、ブラジル産トウモロコシの価格は3月から4月にかけて急落、この1ヶ月でおおよそ60レアル/袋(約2万7500円/トン)から68レアル/袋(約3万1300円/トン)の間で推移している。

12日に米国が発表したトウモロコシの輸出入・販売データは予想を下回っており、シカゴ商品取引所のトウモロコシ価格は、1ブッシェルあたり0.57米ドルの9%まで急落、1トンあたり230米ドル(約3万1800円)となったことでブラジル産トウモロコシとの価格に差がなくなっている。

中国税関総署のデータによると、今年1~3月のトウモロコシの購入量は前年同期比6%増の750万トンとなった。そのうちアメリカからの購入が最も多く全体の37.8%を占める285万トン、次いでブラジルからが全体の28.8%を占める216万トン、ウクライナからが全体の27.7%を占める208万6000トンとなった。中国は、米国からのトウモロコシ購入を減らす一方でブラジルやアフリカからの購入量を増やしている。4月には、中国では初めてとなるアフリカから輸入された5万3000トンの飼料用トウモロコシが広東省の馬忠港に到着した。

(中国経済新聞)