蘇州の日系企業700社達成記念式典が東京で開催

2023/04/12 20:23

長い歴史と文化を持つ蘇州は、中国でも有数の科学技術と製造業の中心地域となっている。現在、蘇州には3000社以上の日本企業が投資しており、そのうち700社が蘇州国家ハイテク産業開発区(蘇州高新区)に集中している。

3月30日、蘇州国家ハイテク産業開発区対日協力・交流と日本企業 700 社達成記念式典が東京のホテルニューオータニで開催された。式典には、蘇州市委員会常務委員で蘇州市副市長の唐暁東氏、高新区共産党工作委員会書記の毛偉氏、蘇州市商務局局長の孫建江氏、南京大学学長補佐の索文斌氏らが出席、中華人民共和国駐日本国大使館経済商務部の宋耀明氏、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏、日本国際貿易促進協会理事長の笠井爚雄氏がお祝いに駆け付けた。

今回の式典は、蘇州高新区管理委員会による主催で、アジア通信社が共催、420社以上の日本企業の代表者が出席した。

高新区共産党工作委員会書記、蘇州市虎丘区党委員会書記の毛偉氏

最初に、高新区共産党工作委員会書記、蘇州市虎丘区党委員会書記の毛偉氏が歓迎の挨拶を行い「蘇州国家ハイテク産業開発区が建設されて30年以上、イノベーション主導の発展戦略を精力的に実施し、同地は国内外のビジネスマンが集まるイノベーションと起業のホットスポットとなっている。蘇州国家ハイテク産業開発区と日本の協力関係は長い歴史と強固な基盤があり、経済貿易協力は引き続き拡大しており、また日本へのサービスは質と効率が向上、友好交流は深化し続けている。今後、蘇州国家ハイテク産業開発区は日本との協力を長期的な発展戦略とした上で、長江デルタ一体化計画、環太湖科創圏産業イノベーション圏の建設などのチャンスを活かし、蘇州国家ハイテク産業開発区を投資と開発において第一の選択肢となるよう、また同地をイノベーションの「第二の故郷」として発展させ、ウィンウィンの未来に向けて共に歩んでいきましょう」と述べた。

蘇州市委員会常務委員で蘇州副市長の唐暁東氏

蘇州市委員会常務委員で蘇州副市長の唐暁東氏は「日本は蘇州にとって重要な投資先であり、貿易相手でもある。現在、蘇州には3000社以上の日系企業があり、日本資本導入額は138億ドル以上に上っている。蘇州国家ハイテク産業開発区は、長江デルタ地域における最も代表的な「日資高地(日系企業中心地)」であり、700社以上による日本投資プロジェクトと約4000人の日本の友人が蘇州に駐在している。今後も引き続き、日本企業が蘇州で発展するための良好なビジネス環境を構築し、日本の友人が蘇州で生活するために、より快適に過ごせる生活環境を提供する。また蘇州は引き続き開放を拡大し、最適なビジネス環境を構築するために全力を尽くす。蘇州で投資・興業をする日本企業に対し一流のサービスを提供し、一流の環境を整えるよう尽力する」と述べた。

中華人民共和国駐日本国大使館経済商務部の宋耀明氏

中華人民共和国駐日本国大使館経済商務部の宋耀明氏は挨拶の中で「中国と日本は一衣帯水の隣国であり、経済的にも密接な関係を持つ重要な2つの経済国である。蘇州は2500年以上の歴史を持つ文化都市であり、日本とは非常に深い文化的なつながりがある。蘇州国家ハイテク産業開発区は中国初の国家ハイテク区の一つであるだけでなく、中日経済貿易協力の重要な窓口でもある。近年、蘇州は中日経済協力の新しい注目点を作ることに尽力し、蘇州と日本の経済貿易協力発展のための良い基礎環境を作り出している。中国は今後も開放の基本方針を堅持し、ビジネス環境の最適化を続け、日本企業が中国に投資し、ビジネスを立ち上げるためのより良い条件と機会を作り出していく。 我々は、より多くの日本の企業家、投資家が中国、特に蘇州国家ハイテク産業開発区に来訪し、中国企業と協力し共に明るい未来を切り開くことを歓迎する」と述べた。

元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏

元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏は挨拶の中で、2014年に蘇州市を訪問した時のことを振り返り「私は2014年に蘇州国家ハイテク産業開発区において、いくつかの企業を訪問したが、現地政府と企業から非常に温かく迎えられた。蘇州国家ハイテク産業開発区が日本企業700社を超えたことを心からお祝いする。蘇州国家ハイテク産業開発区は日本企業との協力を通じて、経済的利益だけでなく、平和と友情をもたらしており、日本人として蘇州国家ハイテク産業開発区と蘇州人民政府に心から感謝する」と述べた。

硼泰医療科学技術(蘇州)有限公司董事長の古久保雄二氏

日本企業を代表して挨拶をした硼泰医療科学技術(蘇州)有限公司董事長の古久保雄二氏は「硼泰医療科学技術(蘇州)有限公司は、最先端のがん治療技術であるホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy, BNCT)に使用する医療用機器と、それに付随するホウ素医薬を開発・生産するハイテク企業である。蘇州国家ハイテク産業開発区は、医療機器産業の発展が早く、川上から川下までの完全な産業チェーン、総合的な政策支援システム、金融支援システム、産業支援基地、専門サービスチームがあり、プロジェクトが花開くための肥沃な土壌となっている。蘇州国家ハイテク産業開発区の全面的な支援により、研究開発サイクルを短縮し、臨床試験への参入を加速させ、発展の「加速」を実現できると確信している」と述べた。

科学技術振興事業団名誉理事長の沖村憲樹氏

中国政府から「友誼賞」を受賞した科学技術振興事業団名誉理事長の沖村憲樹氏は挨拶で「日中科学技術協力の成果と将来の目標を紹介し、蘇州国家ハイテク産業開発区の発展は新時代の日本と中国企業の協力の場を提供する」と述べた。

アジア通信社社長の徐静波氏は「蘇州の魅力」と題して講演し、2500年の歴史を持ち、伝統から現代に移行した蘇州の魅力を説明。日本企業が蘇州に注目し、長江南部の魅力を持つ歴史都市へ更なる投資を呼びかけた。

アジア通信社社長徐静波と南京大学校長補佐索文斌氏

蘇州国家ハイテク産業開発区はアジア通信社と共同で「中日フロンティア技術・ハイエンド人材交流協力プラットフォーム」の設立を発表。アジア通信社のリソースを活用し、日本のハイエンド人材とフロンティアチームを蘇州国家ハイテク産業開発区へ誘致し、イノベーションと起業のための質の高い集いの場を創出する予定だ。

式典では、LIXILグループ、日本電産株式会社、硼泰医療科学技術(蘇州)有限公司、パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社、島津製作所、住友電気工業株式会社、日本ガイシ株式会社、日本電波工業株式会社、川崎精密工業株式会社など日本企業の産業本部型プロジェクトや増資プロジェクト15件の調印式が行われた。

日本経済新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞、フジテレビ、中国中央電視台など日中の主要メディアが取材に訪れた。

(中国経済新聞)