中国、3日間で12名の著名人が相次いで亡くなる

2022/12/23 23:09

12月22日、中国最大の検索エンジン「百度(バイドゥ)」の検索ランキング上位30の内、著名人に関するニュースが5つランクインした。その内容は、

 第5位:国家一級(各分野において最高レベルと認められた人に贈られる称号)を持つ美術家の王希鐘(Wang Xizhong)さん逝去

 第15位:映画監督の王景光(Wang Jingguang)さん逝去

 第17位:元国家体育総局副主任の劉吉(Liu Ji)さん逝去

 第21位:首都圏四大名医の一人、施今墨(Shi Jinmo)さんの息子、施小墨(Shi Xiaomo)さん逝去

   第28位:著名な歴史学者、劉統(Liu Tong)教授が病気により逝去

ネットユーザーからは「人気検索ランキングが、今や訃報ランキングになってしまった」と嘆く声も聞かれる。また、確定値ではないが、ある統計によると、わずか 3、4 日の間に 12 名の著名人が相次いで亡くなっている。

 国家一級の称号を持つ美術家の王希鐘さんは、1986年に放映された「西遊記」に登場するキャラクターのチーフデザイナーで、孫悟空や猪八戒などは彼の手によって作られた。王希鐘さん以外の4名も、それぞれの分野で多大な貢献を果たしていた。

故人の年齢を見ると、王希鐘さんは94歳、元国家体育総局副主任の劉吉さんは85歳、中国を代表する漢方の専門店、同仁堂の中医館長である施小墨さんは78歳、歴史学者の劉統さんは71歳、映画監督の王景光さんは54歳であった。

12月20日には、戦闘の英雄で共和国勲章を受章した張富清(Zhang Fuqing)さんが97歳で逝去。

同日、北京オリンピックのマスコットキャラクター「福娃(フーワー)」のデザイナーとして有名な精華大学教授の呉冠英(Wu Guanying)さんも強い感染力を持つ風邪に罹患し67歳で逝去。 

12月21日には、著名な経済学者で北京大学光華管理学院の名誉教授でもある曹鳳岐(Cao Fengqi)さんが、治療の甲斐なく77歳で逝去。

同日、河南省出身の著名な劇作家である楊林(Yang Lin)さんも病気のため60歳で逝去。

また、12月19日には、京劇俳優の儲蘭蘭(Chu Lanlan)さんが40歳の若さで亡くなったと北京戯曲学院が発表している。

ただ、その死亡記事には「病死」と書かれているだけで、詳細な説明はない。なお国家衛生健康委員会は、新型コロナウイルスによって引き起こされたことが明確な肺炎や呼吸器不全が主な死因の場合に限り、死者として集計するよう関係機関に通知を出している。

一方、現実には基礎疾患を持つ高齢者ほど新型コロナウイルスによるリスクが高い。ネットユーザーからは「私たち一人一人が声を合わせて、コロナ対応の機敏で適切な調整を行うよう訴えるべきだ。」さらに「高齢者や体の弱い人たちを守る防疫を構築し、適者生存の社会ではなく、彼らを守るために最善を尽くす社会でなければならない」という声が上がっている。

(中国経済新聞)