中国で節水産業が大きく成長している。中国水利部によると、農業、工業、都市生活、再生水利用など幅広い分野で関連企業が育ち、各地で節水産業園区の建設が進んでいる。これらの動きを背景に、節水産業の市場規模は 7,600億元(約1兆6,000億円) を超えると見込まれている。
産業集積も進んでおり、京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ(長三角)、粤港澳大湾区 の三つの主要地域を中心に、成渝(重慶・四川)、山東省、陝西省 など、設備製造や研究開発を担う複数の拠点が形成されている。こうした「三地多区」と呼ばれる産業構造が整い、全国的な産業クラスターが形づくられつつある。
中国政府は、水資源の効率的な利用を重要政策として位置づけ、節水型社会の構築を推進している。節水技術や設備の高度化を支援する政策が拡充されているほか、水の使用効率を引き上げるための制度整備も進んでいる。
節水産業の成長は、水安全の確保や環境負荷の軽減に寄与するだけでなく、関連する製造業やサービス産業の発展を通じて経済効果も期待されている。水資源の制約が大きい中国にとって、節水産業は今後ますます重要性を増す分野となりそうだ。
(中国経済新聞)
