香港特別行政区の行政長官、李家超(ジョン・リー)氏は9月17日、香港立法会で任内4回目の2025年施政報告を発表した。同氏は、香港が世界200以上の航点を結ぶ国際的な航空ハブとして機能している点を強調し、今後、地元および海外の航空会社に対し、さらなる便の開設を積極的に誘致していく方針を示した。その一環として、10月から航空機出境税(航空税)の免除範囲を拡大することを発表した。これにより、香港の航空業界の活性化と観光・ビジネス交流の促進が期待されている。

李家超氏は報告の中で、「香港は『一国二制度』の下で祖国を背に世界とつながる独自の優位性を活かし、経済発展を加速させる」と述べ、施政報告のテーマを「深化改革、心繫民生、發揮優勢、同創未来」(改革を深化させ、民生を心がけ、優位性を発揮し、未来を共創する)と位置づけた。今年の報告は、経済成長と民生改善を二大軸とし、緑色の表紙を採用した同氏のこれまでの施政報告の伝統を踏襲している。
航空税の免除拡大については、具体的な詳細は今後の実施細則で明らかにされる見込みだが、香港政府の公式発表によると、対象となる乗客や便の範囲を広げることで、国際便の利用を促進し、香港の競争力を高める狙いがある。香港はアジアの主要な航空拠点として、コロナ禍後の回復を続けているが、競合都市との競争激化の中で、このような税制優遇は航空会社の新規路線開設を後押しするものとみられる。
今回の施政報告では、航空分野以外にも、AI(人工知能)の活用推進、北部都会区の開発加速、公務員の責任制強化、租置計画(公営住宅の購入促進)の再推進、子どもの免税額延長など、多岐にわたる政策が盛り込まれた。李家超氏は、「改善民生が施政の最終目標」と強調し、公屋(公営住宅)の待機期間を上任時から1年短縮した実績を挙げ、経済成長と民生向上の両立を誓った。
(中国経済新聞)