中国光大銀行、業界リスクの波及に警戒を示す

2025/09/1 09:30

8月29日、中国光大銀行の首席リスクオフィサーである馬波氏は、同行の中間業績発表会において、資産の質が近年全体的に安定していると述べた。しかし、一部の業界における構造的な問題がリスクの波及を引き起こす可能性があるとして、注意を喚起した。特に、不動産関連ローンの不良債権による発生する圧力が比較的高いと指摘した。さらに、太陽光発電、自動車、鉄鋼、石油化学などの業界において、一定の構造的矛盾が存在し、これらのリスクが外部に波及する可能性があると強調した。

馬波氏は、次段階のリスクについて、主に2つの方向性を示した。まず、新たな産業構造の変革とアップグレードの機会を積極的に捉え、関連産業や顧客に対する融資支援を強化し、ポートフォリオ構造を最適化する。これにより、経済の転換期における成長機会を最大限に活用する。次に、光大銀行の特色あるサービスである「光大理財総合金融」と「サプライチェーン金融」をさらに強化し、情報格差による金融リスクを軽減するためのサービスシーンを構築する。

また、同行は基礎的な融資能力の構築を継続的に強化し、前向きなリスク管理とプロセス管理を徹底する。特に、デジタル化されたリスク管理システムの構築を積極的に推進し、将来のリスク変動に柔軟に対応する方針である。このような取り組みを通じて、潜在的なリスクを早期に特定し、効果的に管理する。

光大銀行の2025年上半期の営業収入は659.18億元で、前年同期比5.57%減となった。このうち、純利息収入は454.32億元で、同様に前年比5.57%減だった。この業績は、市場金利の変動や融資構造の調整など、複数の要因による影響を受けたものと考えられる。それでも、馬波氏は資産の質が安定している点を強調し、リスク管理の強化が業績の安定に寄与していると述べた。

太陽光発電、自動車、鉄鋼、石油化学などの業界が直面する構造的問題は、過剰生産能力や市場競争の激化、技術革新の遅れなどが背景にあるとされる。これらの業界は、中国経済の重要な柱である一方、外部環境の変化や政策の影響を受けやすく、リスクが他のセクターに波及する可能性がある。光大銀行は、これらのリスクを注視しつつ、産業のグリーン化や技術革新を支援する融資を通じて、リスクの軽減と経済成長の両立を図る方針である。

(中国経済新聞)