ユネスコ(国連教育科学文化機関)とロレアル基金会は5月14日、2024年女性科学者賞の受賞者5人を発表した。この中で、清華大学生命科学学院教授、深セン医学科学院院長、深セン湾実験室主任の顔寧(Yan Ning)氏が選ばれた。表彰式は5月28日に行われる。
ユネスコによると、顔氏は多くのイオンや糖の細胞膜を横断する輸送を媒介する膜タンパク質の原子構造を発見し、膜を横断する輸送の原理を明らかにした。これにより、てんかんや不整脈など複数の疾患に関する研究が進展し、疼痛症候群の治療を導いてきた。
他の受賞者4名は、カメルーンの免疫学者のRose Leke教授、ブラジルの生化学者のAlicia Kowaltowski教授、カナダのヒトゲノム学者のNada Jabado教授、フランス分子生物学者のGeneviève Almouzni教授で、研究分野はがんや感染症、および肥満、糖尿病、てんかんなど慢性疾患に及んでいる。ユネスコは、「受賞者の優れた成果で、科学界は今、重大な課題に対応するため、いつになく女性の参加が必要であることが示された」と述べている。
顔氏は公開情報によると、1977年11月に山東省章丘市で生まれ、2000年に清華大学を卒業、2004年にアメリカ・プリンストン大学で博士号を取得し、30歳を前にした2007年から清華大学で教鞭をとり始めた。2009年以降、世界最高峰の学術雑誌である「ネイチャー」、「サイエンス」、「セル」に通信作者として計19件の論文を発表しており、うち2件が「サイエンス」で「年度10大成果」となっている。
顔氏は2017年4月清華大学を退任し、プリンストン大学分子生物学系で初のシャーリー・ティルマン終身客員教授となった。その後2022年11月に辞任を発表し、深セン医学科学院の創始院長に就任している。
(中国経済新聞)