大卒後の職業学校での「学び直し」が一般化 就職先は小都市が増える

2024/05/16 07:30

中国は2024年、大学の卒業者数がまたも過去最高を塗り替える1179万人との見通しであり、進路について関心が寄せられている。中国最大手の人材会社「智聯招聘」が先ごろ発表した「2024大学生就業力調査報告」によると、仕事について安定性を重視する傾向が強まっている。

報告によると、卒業後すぐに就職する割合が55.5%でやはり最も多いが、去年より2ポイント減った。逆に就職を先延ばしする割合が18.9%増えて19.1%となり、フリーランスは13.2%増えて13.7%である。

2024年の新卒者が希望する勤め先のタイプを見ると、国有企業が一番多く47.7%、次が政府機関で14.7%、外資系企業が13%、民間企業が12.5%、その他公的機関が10.7%となっている。国有企業の希望者割合は2020年が36%で、その後5年連続で増えている。

また最近は、卒業後に職業学校で「学び直し」をして実用的なスキルも身に着け、一段と就職に有利にしたいとの動きが広まっている。これにより就職しやすくなるか、との問いに対して、新卒生の52.2%がYESと答えており、専門的なスキルが強く求められているので「学び直し」で一段と就職に有利になると見ている。また「スキルが多いと選択肢も増える」が43.2%、「社会経験を積める」が33.2%であり、「学び直し」を前向きに考えていることが分かる。

就職内定者における勤務先の都市のレベルについては、三線、四線、五線都市の割合が順に15.9%、4.9%、4.6%であり、いずれも去年の15.4%、4.6%、3.2%を上回った。また一線都市は去年の28.5%を下回る27%で、新一線都市は去年の26%を上回る26.5%であった。経済成長や再開発を進めている三線以下の都市が人材を集めているほか、就職活動に際し競争がさほど厳しくない地方都市を選ぶ傾向も見え、「地方に浸透」している様子もうかがえる。

MyCOS研究院が4月に発表した報告によると、大卒者の就職先はここ数年、地方に分散する傾向が見え、学部卒では県級都市やそれ以下の小さな都市に就職する人が増えているという。

総じていうと、大都市は生活費が高く職探しも大変であるが、小さな都市では暮らしも割と楽である。また中小都市は大都市ほどの賃金は望めないが、仕事も安定し生活も楽で、親元に近いということで、Uターンする若者たちが増えている。

(中国経済新聞)