上海の自由貿易試験区の臨港地域管理委員会は5月13日、テスラの大型蓄電池装置「Megapack」の工場の建設について、施工許可を下したと発表した。
テスラにとって、アメリカ以外で初めての「Megapack」工場となり、既存のギガファクトリーにほど近い場所に立地する。
この工場は、商業用蓄電池の年間生産量は初期段階で1万台を計画しており、蓄電規模は40ギガワット時に迫る。「高工産業研究院」(GGII)によると、2022年の中国のリチウム蓄電池の出荷量は130 GWh分であり、今回のテスラの工場の生産分はこの3分の1に相当する。
上海臨港管理委員会によると、工場は面積およそ20万平方メートルで総工費はおよそ14.5億元(約312億円)で、建設がほぼ確定した2023年12月からこの臨港地域における建設工事の際の新たな請負サービスの実施を始めたという。
電力網の運営会社や公共事業の会社などはMegapackにより、より効率的な蓄電や再生可能エネルギーの割り当てが可能となる。工場は200台以上のMegapackで100万ワットの電力を蓄電する場となる。
テスラにとってアメリカ以外で初めてのMegapackの製造となるこの事業は、およそ1年前の2023年4月9日に臨港地域と契約と取り交わしており、同年12月22日に上海で管理委員会とともに調印式を行い、建設開始を発表していた。
Megapackはユニット1台で3600世帯の1時間分の電力消費量にあたる3.9 MWh以上のエネルギーを蓄え、1 MWhのマイクログリッドからGWh+クラスの大型電力事業の需要にまで対応可能という。
業界のコンサルティング会社である「起点研究院」の「2024年世界蓄電業界発展白書」によると、2023年1年間のリチウム蓄電装置の出荷量はおよそ192GWh分で、これを会社別に見ると、上位5位は中国の陽光電源、中国のBYD、アメリカのテスラ、中国の中車株洲所、アメリカのFluenceの順となっている。
(中国経済新聞)