3月24日~25日、北京で「中国発展ハイレベルフォーラム2024年総会」が開催された。アップルのティム・クック(Tim Cook)CEO、エクソンモービルのダレン・ウッズ(Darren Woods)社長、ファイザー製薬のアルバート・ブーラ(Albert Bourla)社長兼CEO、ボッシュ・グループのシュテファン・ハルトゥング(Stefan Hartung)取締役社長、BHPグループのマイク・ヘンリー(Mike Henry)CEO、アメリカの半導体メーカーAMDのリサ・スー(Lisa Su)取締役社長兼CEOなど、海外の大手企業幹部100人近くが参加した。
ドイツのテクノロジー会社・ヘレウスのJan Rinnert取締役社長兼CEOは、第一財経などに対し「中国は大切な市場の一つであり、投資を続けることを約束する。今年は5か所の工場を着工または竣工する」と述べた。数日前に中国の先端素材ベンチャー企業の株式を取得したばかりのヘレウスは今、「期待十分」の会社である。
多くの多国籍企業にとって中国は常に重要な市場の一つであり、「中国の好機」や世界での成長を探る中で、脱炭素への取り組み、AI、ヘルシー産業、産業のデジタル化、新たな消費などが大切な分野となっている。
この中でヘレウスのRinnert氏は、特に中国の脱炭素化やAIの導入に伴うビジネスチャンスを重視していると言う。今、素材の開発や革新で一段と半導体が小型化することで、放熱性能の高いパッケージソリューションが求められていること、あるいは中国の太陽光発電や新エネ車へのサプライチェーンに世界から様々な基幹材料や技術が集まっていることを挙げて、ヘレウスはこのところ中国で世界的にも目覚ましい成長を遂げていると述べている。
ヘレウスは、2年前に6億元をかけて着工した遼寧省瀋陽のクオーツ製造所が今年秋に完成し、生産能力が倍増する。また6年前に設立した上海エレクトロニクスセンターが、江蘇省常熟に新たな工場を設け、同じく今年の後半に稼働して中国初の先端セラミックス基板を製造することになる。また子会社の電子化学材料が今年5月に上海で特殊化学品の工場を建設する予定である。
フォーラムでは、24日午後にヘルスケア産業をテーマにしたセッションが行われ、この中でメドトロニックの社長兼CEOであるジェフ・マーサ氏が「中国が世界最大の医療マーケットとなることを、これまでになく確信している」と述べた。高齢化や都市化が急速に進み、医療保険制度が整備されていることがその理由である。中国は2035年には65歳以上の数が3億人を超え、これに応えるために医療サービスの範囲を拡大し、イノベーションを続けることが大切であるという。
(つづき)
(中国経済新聞)