3月19日、中国のアリババグループの金融関連会社「アントグループ」(ANT GROUP)の会長兼CEOであるエリック・ジン氏が、全社員にメッセージを送信する形で新たな組織替えを発表した。これによると、ジン氏の直属として韓歆毅(Han Xinyi)氏がグループの総裁になり、デジタル決済、デジタルコネクテッド、デジタル金融を統括する。さらにアント・インターナショナル、OceanBase、アント・デジタル・テクノロジーズがそれぞれ独立し、取締役会を発足させるという。
ジン氏はメッセージで、今回の組織替えは「AI First」、「アリペイ両輪飛行」、「国際化加速」という3つの方針の実行に向けて改革の足取りを速めるためという。マーケットの変化に合わせて陣営を整え、併せてマネジメントスタッフを若返えらせ、一段と元気のある組織としていく。
韓歆毅(Han Xinyi)氏
公開情報によると、韓氏は2014年5月入社で投資部の上級総監となり、2020年4月に最高財務責任者(CFO)に就任、2023年1月に執行取締役となった。アントグループによると、韓氏はこれまで何年も事業に深くかかわり、意思決定の際に重要な役割を担ってきたという。
アントはまた、アリペイ以外にもテクノロジーや国際化といった事業も改革を進める。最近取り組んでいるこの分野で、アント・インターナショナル、OceanBase、アント・デジタル・テクノロジーズなど新たな事業が生まれている。この3社についてジン氏は、すでに独立させて取締役会も立ち上げ、CEO責任制も敷いていると述べている。
今回のメッセージによると、3社はイノベーション型の組織によりふさわしい株式インセンティブツールを設けて2024年から実施し、社員により強い使命感を与えるとともに事業の成果を大きく横展開していくという。その一方でアントは、3社の成長を後押しするため、引き続き会社のガバナンス、技術、リスクコントロール、資本の4点についてサポートしていく。
(中国経済新聞)